宮崎啓太「逆さのバベル」

《キメラ》/ 車のパーツ、紙、フェルト、スピーカーシステム / 2016 《キメラ》/ 車のパーツ、紙、フェルト、スピーカーシステム / 2016

ロンドンを拠点に活動する彫刻家・宮崎啓太による、約7年ぶりの日本での個展を開催する。東京藝術大学の工芸科で鋳金を学んだ後に、英国王立芸術大学院の彫刻科を修了した宮崎は「The Independent」紙への掲載や、ロンドン市街地に彫刻作品を1年間展示するアートプロジェクト「Sculpture in the City London」への選出などを経て、注目を集めている。

宮崎の近作の特徴は、自動車のパーツ、滑らかなブロンズ、そして細密な手業によって加工された紙やフェルトといった、異質な素材たちを融合することだ。 時に彫刻は、鉄道の発車メロディーやスーパーマーケットのBGMを発する音響システムを内蔵し、視覚と聴覚の両面から私たちを揺さぶる。アクロバティックな調和のもとに生み出されるその造形美は、私たちの五感を鮮烈に刺激するとともに、内包する多義的なコンセプトによって、現代社会の抱える複雑な問題を投げかける。

本展で彼が主題として取り上げるのは“バベルの塔”。「神は塔を建てる人間に怒り、人々の言語を分断した」という神話的なエピソードで知られるモチーフに、コスモポリタニズムやその反動ともいえる極端なナショナリズムが進行する一部の現代社会の状況を、宮崎は重ね見るそうだ。“現実と幻想” “世俗性と崇高性”といった相反的要素の混成体としての機能をアートに見出す彼は、自らの作品によって現代における一種の浄化や創造性の回復を目指す。バベルの塔をモチーフにした5メートル級の作品を軸に、宮崎啓太の最新作を展示する。

開催期間 2016/11/18(金)~2016/12/18(日)
※イベント会期は終了しました
時間 11:00~19:00
休館日 月曜日、祝日
入場料 無料
参加アーティスト 宮崎啓太
会場
  • LOKO GALLERY
  • 東京都渋谷区鶯谷町12-6
会場電話番号 03-6455-1376
会場URL http://lokogallery.com
詳細URL http://lokogallery.com/exhibition/current/