加藤翼 縄張りと島

《The Lighthouses - 11.3 PROJECT》  2011  photo: Kei Miyajima © Tsubasa Kato / courtesy of MUJIN-TO Production 《The Lighthouses - 11.3 PROJECT》 2011 photo: Kei Miyajima © Tsubasa Kato / courtesy of MUJIN-TO Production

東京オペラシティアートギャラリーでは、2021年7月17日(土)より9月20日(月)まで、「加藤翼 縄張りと島」を開催いたします。

加藤翼(1984生)は、複数の参加者による協働作業が生み出す行為を映像、写真などの作品として発表しつづけています。数多くのリサーチやプロジェクトをグローバルに展開し、高い評価と注目を集めている現代作家の一人です。

そこに集まった人々が知恵を出し合い、ロープと人力だけで巨大な構造体を引き倒したり、引き起こす〈Pull andRaise〉シリーズは、加藤翼の代表作の一つです。3.11を逆にした11.3(文化の日)に行われた《The Lighthouses -11.3 PROJECT》は、東日本大震災後の福島に集まった約500人の人々が、津波で壊された家々の瓦礫によって、灯台のイメージに組みあげられた構造体をロープで引き起こすもので、このプロジェクトの構想が契機になり、震災からの復興を目指す地区の祭事の開催へと発展しました。

加藤翼の作品は、自然災害、都市開発、環境破壊などで地域のコミュニティが解体の危機に瀕するなか、人々が自発的に参画し、一体となって何かを実践することの意義を提示します。新型コロナウイルス感染症のパンデミックという状況下において、また、国家や国民の二極化が世界的に危惧されるなか、加藤の作品は、分断や対立を超えた協働作業や連帯による可能性をあらためて気づかせてくれるでしょう。

また、作家にとって美術館での初個展となる本展は、新型コロナウイルスのパンデミックによって延期された東京オリンピック・パラリンピックの開催期間とも重なります。ワクチン接種や供給の問題など、コロナが露呈したさまざまな格差や分断のさなか、本来は国民の連帯や一体感を醸成するはずのオリンピックについても、その開催をめぐって賛否が分かれています。異なる意見や立場をどのように捉え、私たちは前に進むべきなのか。本展が、こうした問題解決のためのささやかなヒントになることを願っています。

《本文は公式サイト紹介文より抜粋》

開催期間 2021/07/17(土)~2021/09/20(月)
※イベント会期は終了しました
時間 11:00~19:00(入場は閉館30分前まで)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8/1(日・全館休館日)
入場料 一般1,200円/大・高生800円/中学生以下無料
参加アーティスト 加藤翼
会場
  • 東京オペラシティ アートギャラリー
  • 東京都新宿区西新宿3-20-2
お問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
会場URL https://www.operacity.jp/ag/