若林奮 飛葉と振動

若林奮 飛葉と振動

1960年代初め、鉄を直接刻み溶接する、重量感ある作品で鮮烈なデビューを果たした若林奮(1936-2003)。二度に渡るヴェネツィア・ビエンナーレへの出品や、国内外での数々の個展開催等、戦後日本を代表する彫刻家として、第一線で活躍した。若林は、木や石、鉛や銅、硫黄や紙等の多彩な素材を用いながら、やがて従来の彫刻の枠組みを超えた、外部の環境世界へと視線を向けていく。自然の中の大気や水、植物の成長や時間の重なりといった、不可視で、彫刻にし難いものへの洞察を深めつつ、1980年代以降はより大規模な「庭」の制作に取り組んだ。

「飛葉と振動」は、若林が最晩年の彫刻につけた言葉である。空中に舞う植物の葉と、自身を取り囲む世界や自然を感じ取るための振動。そしてそれらを感得する庭。

本展は、これまであまり光を当てられることのなかった若林の庭をめぐる作品を中心に、彫刻、ドローイング、関係資料を展示する。また、うらわ美術館では特別出品として、若林が手がけた本に関連する作品の数々を紹介する。本を取り込んだオブジェや、ドローイングを施した冊子、植物の葉を転写したノートや家族のために作った絵本、そして本や雑誌の装幀・挿画等、制作や思索に寄り添いながら呼応する、若林の本の世界の魅力に迫る。

【関連イベント】
●記念対談 イブニング・トーク「若林さんと本」
吉増剛造(詩人)×鍵岡正謹(岡山県立美術館顧問)
進行:森田一氏(元うらわ美術館学芸員)
日時:4月30日(土) 17:00~18:30
場所:うらわ美術館ロビー
料金:無料
※先着順50席(当日13:00より受付にて整理券を配布)

●ギャラリー・トーク
①ゲスト:若林夏欧「父からの贈りもの」
日時:5月14日(土) 14:00~
②当館学芸員によるギャラリー・トーク
日時:5月29日(日)、6月11日(土) 14:00~
※各回とも自由参加(ただし当日の観覧券が必要)

開催期間 2016/04/23(土)~2016/06/19(日)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~17:00(土曜日は20:00まで/いずれも入館は閉館30分前まで)
休館日 月曜日
入場料 一般610円/大高生410円/中小生200円
参加アーティスト 若林 奮
会場
  • うらわ美術館
  • 埼玉県さいたま市浦和区仲町2-5-1
会場電話番号 048-827-3215
会場URL http://www.city.saitama.jp/urawa-art-museum/