ソフィ・カル-最後のとき/最初のとき

ソフィ・カル-最後のとき/最初のとき

写真と言葉を組み合わせた物語性の高い作品で知られるフランスの現代美術家、ソフィ・カル(1953年、パリ生まれ)。彼女は、ロンドンのテートギャラリーやパリのポンピドゥーセンターをはじめとする各国の主要美術館での個展開催、第52回ヴェネツィアビエンナーレ(2007年)への参加など、世界で最も注目されているアーティストの一人である。

執拗な好奇心に導かれた、驚くべき制作プロセスによってうみだされるカルの作品は、常に観るものの感情を強く揺さぶる。自身や他者のきわめて個人的で親密な体験を主題にするカルの作品だが、そこに提示されるのは、アイデンティティ、コミュニケーション、記憶、知覚といった誰もが日常のなかで向き合う普遍的なテーマといえる。生と芸術表現とのあいだに新たな関係を樹立しようとするカルの試み、それは、わたしたちの現実のさまざまな場面おいて、思いもよらない視点をもたらしてくれることだろう。

豊田市美術館では、2003年にカルの個展を開催し、その虚実入り混じるドラマチックな作品は鑑賞者に強い衝撃を与えた。同展から12年を経た今回は、カルが長年にわたって探求してきた視覚や認識に関する一連の作品を、豊田市美術館の空間にあわせて構成する。生まれつき目の見えない人々に、「美のイメージとは何か」と問いかける、カルの代表作〈盲目の人々〉(1989年)を一堂に展示するとともに、人生の途中で視力を失った人々にインタビューした〈最後に見たもの〉(2010年)、生まれて初めて海を見る人々の表情をとらえた映像作品〈海を見る〉(2011 年)を紹介する3部構成で、「見ることとは何か」を静かに問いかける。

【関連イベント】
●記念講演「見えないことから見えるもの」
伊藤亜紗(東京工業大学リベラルアーツセンター准教授)
日時:11月28日(土) 14:00~16:00
場所:美術館講堂
定員:172名

●映画「Sophie Calle: Untitled」(英語版/日本語字幕付/director:Victoria Clay Mendoza)上映
日時:10月17日(土)、11月15日(日)、12月6日(日) 15:00~16:00
場所:美術館講堂
定員:172名

●ワークショップ「視聴覚交換マシンを体験しよう!」
日時:10月31日(土) 13:00~16:00
対象:10才以上~大人
定員:20組40名
※要予約

※詳細は公式ホームページを参照

開催期間 2015/10/10(土)~2015/12/06(日)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~17:30(10/10~10/12は20:00まで開館/いずれも入場は閉館30分前まで)
休館日 月曜日(ただし、10/12、11/23は開館)
入場料 一般800円/高校・大学生500円/中学生以下無料/市内高校生、障がい者、市内75才以上は無料(要証明)
参加アーティスト ソフィ・カル
会場
  • 豊田市美術館
  • 愛知県豊田市小坂本町8-5-1
会場URL http://www.museum.toyota.aichi.jp/
詳細URL http://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/2015/special/Sophie_Calle.html