
20世紀を代表するイギリスの陶芸家ルーシー・リー(1902-1995)は、ウィーンの裕福なユダヤ人家庭に生まれた。当時ウィーンでは、画家グスタフ・クリムトや建築家ヨーゼフ・ホフマンに代表される造形芸術の新たな動向が芽生えており、ルーシーもこれらに触れながら育つ。
ホフマンも教鞭を執ったウィーン工業美術学校で1921年から学び、ここで轆轤の面白さに魅了された彼女は、陶芸家になることを決意する。その後はさまざまな展覧会で活躍し、作家としての地位を確立していくものの、戦争へと向かう時代の中、1938年、イギリスへの亡命を余儀なくされた。以後1990年に病で倒れるまで、半世紀以上にわたりロンドンで制作を続けた。
轆轤によって生み出される優美で緊張感のあるフォルム、象嵌や掻き落としなどによる独自の文様、釉薬のあたたかみのある色調などは、ルーシー・リーならではの造形世界であり、それらの作品が放つ繊細でありながら凛とした存在感は、多くの人々を魅了し続けている。本展は、ルーシー・リーの没後20年を機に、初期から晩年に至る約200点の作品で彼女の足跡を辿り、その魅力に迫ろうとするものだ。展示作品の大半が日本初公開となるほか、今回新たに発見されたウィーン時代の作品もご覧いただける。
【関連イベント】
●講演会
場所:11階講堂
定員:150名
※聴講無料、要申込
「ルーシー・リー・スタイルの形ができるまで」
講師:金子賢治(茨城県陶芸美術館長)
日時:7月20日(月・祝) 14:00~(13:30開場予定)
「再現 ルーシー・リーの制作技法について」
講師:小山耕一(陶芸家)
日時:7月26日(日) 14:00~(13:30開場予定)
開催期間 |
2015/07/07(火)~2015/08/30(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 8/3 |
休館日 | 日~木 10:00~18:00、金・土 10:00~20:00(入館は閉館30分前まで) |
入場料 | 一般1,000円/大学生700円/小・中学生・高校生無料 |
参加アーティスト | ルーシー・リー |
会場 |
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会場電話番号 | 043-221-2311 |
会場URL | http://www.ccma-net.jp/ |
詳細URL | http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2015/0707/0707.html |