
江戸時代、安泰な世の中になると刀剣や拵には、公式に定められたもののほかに持ち主の好みによって約束事にとらわれない意匠を凝らしたものが出現した。持ち主の身分や財力、教養や季節感を感じさせるこだわりのアイテムとして発達したのである。
刀身では、華やかな刃文が好まれたほか、刀身彫という刀身に龍や剣などを彫刻する装飾的な志向が強まる。拵は、柄・目貫・鐔・小柄・笄・鞘など数多くのパーツによって構成されているが、そこには季節の動植物や故事に関するものなど多彩な主題があり、そのコーディネートの妙が見どころとなっている。
これらの刀装具や鞘は小さいながらも彫金や蒔絵、螺鈿などの優れた技術によって丁寧に作られており、細部に目を凝らすと珠玉の世界が広がる。印籠や根付も同じく男性の持ち物として装飾性に富んだものが作られた。金や銀、玉や象牙など贅沢な素材をふんだんに使った、斬新なデザインの印籠や根付は、持ち主の好みを端的にあらわしている。
本展では、幕末から明治期の華やかな拵やバラエティ豊かな刀装具が多いことで知られる根津美術館所蔵のコレクションから選りすぐった約100件を展示。江戸の伊達男たちを飾った、こだわりの品々をお楽しみいただきたい。
【関連イベント】
●講演会
会場:根津美術館講堂
定員:各130名
※要申込み
(1)「江戸時代の刀剣について(仮)」
日時:6月6日(土) 14:00~15:30
講師:渡邉妙子(佐野美術館館長)
(2)「日本刀の拵について(仮)」
日時:6月27日(土) 14:00~15:30
講師:高山一之(鞘師)
開催期間 |
2015/05/30(土)~2015/07/20(月) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 10:00~17:00(入館は閉館30分前まで) |
休館日 | 月曜日(ただし、7/20は開館) |
入場料 | 一般1,000円/学生800円/中学生以下無料 |
会場 |
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会場電話番号 | 03-3400-2536 |
会場URL | http://www.nezu-muse.or.jp/ |