成田亨 美術/特撮/怪獣

成田亨という芸術家を知っているだろうか。ウルトラ怪獣のデザイン画を描いた人、といったほうが分かりやすいかもしれない。成田は武蔵野美術大学で絵画、彫刻を学んだ気鋭の彫刻家だった。同校在学中にアルバイトで映画「ゴジラ」(1954年)の制作現場を手伝ったことをきっかけに、彫刻制作の傍ら特撮映画の世界にも身を置くようになり、特撮テレビ番組「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」では、主人公の超人、宇宙人、怪獣、そしてメカニックやセット等のデザインを一手に引き受ける。
「ガラモン」、「ウルトラマン」、「バルタン星人」などのキャラクターが誕生して半世紀が経過しようとしているが、それらは世代を超えて今も親しまれている。それは、彼が芸術家として吸収した同時代美術や西洋モダンアートにより培った造形センスを惜しみなく怪獣デザインにつぎ込んだからに他ならない。
そうした特撮関連の仕事に注力する一方で、成田の絵画や彫刻への情熱はむしろ高まる。多数の油彩画、水彩画を描きながら、彼は古今東西のモンスターへの関心を深め、モンスター関係の作品も数多く制作した。
成田亨と言えば、これまで「ウルトラ」の仕事ばかりに注目が行きがちだが、本展では成田亨という1人の芸術家が歩んだ軌跡を多彩な内容でお届けする。青森県立美術館所蔵のウルトラ関係デザイン原画187点をはじめ、「ヒューマン」、「バンキッド」など特撮関連のデザイン原画や未公開の怪獣デザイン原画、手元に遺した絵画、彫刻、そして本展のために再現された特撮セットも加えた総点数700点により、非凡なる才能を秘めていた奇跡の芸術家の知られざる全貌に迫る。
【関連イベント】
●記念講演会
会場:講堂
定員:240名
※いずれも聴講無料
(1)成田流里(成田亨夫人)・成田カイリ(俳優)
日時:1月6日(火)14:00~
(2)椹木野衣(美術批評家、多摩美術大学教授)
日時:1月17日(土)14:00~
(3)村上 隆(アーティスト)「芸術家の誕生までの不思議―成田亨の場合」
日時:1月31日(土)14:00~
※要事前申込み
開催期間 |
2015/01/06(火)~2015/02/11(水) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 9:30~17:30(入館は閉館30分前まで) |
休館日 | 月曜日、1/13(1/2は祝日のため開館) |
入場料 | 一般1,200円/高大生800円 |
参加アーティスト | 成田亨 |
会場 |
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会場電話番号 | 092-714-6051 |
会場URL | http://www.fukuoka-art-museum.jp/ |
詳細URL | http://www.fukuoka-art-museum.jp/narita/ |