菅木志雄

菅木志雄

菅木志雄(1944-)は1960年代後半より木や石などを用い、自然物とそれを取り囲む空間を探求し続けている美術作家である。多摩美術大学在学中の1967年にシェル美術賞展で第一席に入選した菅は、自然物や建材を仮設的に配置する独自の制作手法によって、未加工の物質を作品として提示し当時「もの派」と呼ばれた作家の1人として注目を浴びた。

菅の作品の独自性はさまざまな素材が接し、つながれ、囲われることで物質が相互に依存し合う場を生み出す点にある。作品は一時的な状態であり完結することがなく、時代や場所を変え再制作されるそのシステムに作品の可能性を見出すことができる。刻一刻と変化する私たちを取り巻く複雑な環境に向かい、普遍的な構造を抽出しようとする作家の鋭敏な感性が作品には反映されている。

本展では「野展」と称して写真でのみ記録された野外作品が40年の歳月を経て制作され、70年代以降から新作まで時代ごとの代表的な作品が展示される。また鑑賞者の前で数多く実践された「アクティヴェイション」(作家によるパフォーマンス)や、制作と並行して執筆されてきた批評など貴重な映像・図書資料を交え、菅の「一過性の世界」の構造に向けられた思考をたどる。

【関連イベント】
●アクティヴェイション+アーティストトーク
日時:11月2日(日)15:00~16:30
定員:なし
料金:当日の入館料のみ
会場:ヴァンジ彫刻庭園美術館 展示棟
※申込不要

●トークイベント1 菅木志雄と周縁—1970年前後の美術
日時:2015年1月18日(日) 14:00~15:30
出演:粟田大輔(美術批評家)、成相肇(東京ステーションギャラリー学芸員)、森啓輔(当館学芸員)
定 員:100名
料金:当日の入館料のみ
会場:クレマチスの丘アカデミーフォーラム
※要予約

●トークイベント2 菅木志雄と「もの派」の現在
日時:2015年3月8日(日) 14:00~15:30
出演:千葉成夫(美術評論家、中部大学教授)、中井康之(国立国際美術館主任研究員)、森啓輔(当館学芸員)
定員:100名
料金:当日の入館料のみ
会場:ヴァンジ彫刻庭園美術館 展示棟
※要予約

開催期間 2014/11/02(日)~1970/01/01(木)
※イベント会期は終了しました
時間 11~1月/10:00~16:30、2~3月/10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日 水曜日(祝日の場合は翌日休、12/24は開館)、年末年始(12/26~2015年1/7)
入場料 大人1,000円/高・大学生500円/中学生以下無料
参加アーティスト 菅木志雄
会場
  • ヴァンジ彫刻庭園美術館
  • ヴァンジ彫刻庭園美術館
  • 静岡県長泉町東野クレマチスの丘 (スルガ平)347-1
会場電話番号 055-989-8787
会場URL http://www.vangi-museum.jp
詳細URL http://www.vangi-museum.jp/kikaku/next_141102.html