LIXILギャラリー企画「クリエイションの未来展」では、日本の建築・美術界を牽引する4人のクリエイター、清水敏男、宮田亮平、伊東豊雄、隈研吾を監修者に迎え、それぞれ3か月ごとの会期で、独自のテーマで現在進行形の考えを具現化した展覧会を開催している。

「クリエイションの未来展」の第17回目となる今回は、アートディレクターの清水敏男監修のもと、2つの展覧会が開催される。今回のテーマは、クリエイションの未来へ向けての継承とフィールドの拡大である。

第一期では、2016年に惜しまれつつこの世を去った、日本を代表するインテリアデザイナー・内田繁が最後に手がけたプロジェクト『Wander From Within』が日本で初めて公開される。このプロジェクトは香港の企業家でK11芸術財団創設者のエイドリアン・チェンが内田繁の作品に共鳴し、家具の共同開発を約束したことで始まった。その過程で内田繁は亡くなったが、その遺志をついだ内田繁デザインの家具が実現した。『Wander From Within』は、内田繁がめざしてきた軽さ、薄さ、透ける、重なりなどの東洋的な境界の考え方をもとにデザインされた家具である。またエイドリアン・チェンが唱える、人間本来の手仕事の重要性によって「量産しない」「ヒトの技がつくる」「長く大切に使われる」「自然素材でつくる」「エネルギーを浪費しない」など、未来の美しい生活環境を考える思考が込められている。

本展では、エイドリアン・チェンと内田繁のコラボレーションから生まれた椅子3点（木にインスパイアされた椅子『AU1』、山にインスパイアされた椅子『AU2』、水にインスパイアされた椅子『AU3』）、そして照明『AU4』とテーブル『AU5』が展示される。またこのプロジェクトのきっかけとなった内田繁の茶室『行庵』も展示される。

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