吉岡徳仁さんと最初にお会いしたのは2002年、桑沢デザイン塾の取材でした。デザイン活動に集中したいので講演やそれ以外の活動はしない、というのが基本スタンスの徳仁さん。母校なので特別にということだったと記憶しています。以来、その活動を拝見しているのですが、表現する世界観や考え方にブレがなく見るたびに着実に前に進まれています。
今回の展示にはプレスプレビューの一番早い時間に訪問しました。会場に入り展示を拝見し徳仁さんと顔を合わせてすぐ「現代美術館のときの…」という言葉が互いの口から出ました。2013年から14年にかけて東京都現代美術館で開催された「吉岡徳仁-クリスタライズ」展の「虹の教会-Rainbow Church」の進化した姿が、今回、展示されています。
そして「Water Block – KATANA」と名付けられた新しいガラスのベンチの形も驚きです。この三角形は一体どのように作るのだろう?と不思議になります。徳仁さんとしては、見る人がその美しさに感動し自然に受け止めることを意図されていると思います。私のように制作過程に思いを馳せるのは無粋かもしれませんが、職業柄ということでお許しくださいませ。
展示会場は、2017年03月26日まで銀座八丁目の資生堂ギャラリーです。
ガラスのベンチ「Water Block – KATANA」
吉岡徳仁 スペクトル-プリズムから放たれる虹の光線