プリズムでつくられた彫刻から放たれる虹の光線による、神秘的な光を体感する吉岡徳仁の新作インスタレーション「吉岡徳仁 スペクトル－プリズムから放たれる虹の光」が、資生堂ギャラリーで開催される。

自然哲学者であるニュートンは、透明な多面体プリズムに太陽光を通して、光の中にはさまざまな色の光が重なり合って存在するものだと示した。私たちは日々、自然から色を学び、感じてきた。そのプリズムによって分光された光が、美しい虹色の光線となったスペクトルを放つ。

吉岡徳仁は、デザイン、アート、建築など、幅広い領域において、自由な着想と実験的なテクノロジーから生み出される作品により、世界に影響を及ぼすつくり手の1人として、国内外で高く評価されている。吉岡はこれまで、自然と人間の関係性に着目し、光がもたらす感覚を追求し研究を重ね、独自の手法で作品を表現してきた。

2013年、東京都現代美術館で開催された個展「TOKUJIN YOSHIOKA_Crystallize」では、プリズムによって作られた「虹の教会－Rainbow Church」、2011年に開催された「第54回ヴェネツィア ビエンナーレ国際美術展」では、建築プロジェクト「ガラスの茶室－光庵」を発表し、その建築は、2015年に京都の重要文化財に指定された天台宗青蓮院門跡境内将軍塚青龍殿の大舞台に設置された。そのガラスの茶室と自然の光を一体化させることで、感覚の中に存在する日本文化の本質を見ることを試み、世界の注目を集めた。本展においても、吉岡徳仁の新たな試みにご期待いただきたい。

【吉岡徳仁デザイン事務所】
http://www.tokujin.com/