ミラノサローネ 国際家具見本市 2015 | トレンド分析1

Salone del Mobile.Milano( ミラノサローネ 国際家具見本市)が発表した2015年のトレンド分析を紹介する。(全3回予定)

2015年のキーワードとしてあげられているのが「物語」。「美」についての「物語」はミラノサローネの真のテーマで、どのデザイナーもそれぞれが考える「美」を追求している、という。

そういったデザインの物語を生むインスピレーションの源として、エスニック代表「アフリカ」、ミニマリズムとパステルカラー「北欧」、80年代のリバイバル「マイアミ」という三つの場所が上げられている。

アフリカを表すのは、セバスチャン・バーンのミニテーブル「Shorty」(TOG)、ハイメ・アジョンの「Réaction Poétique Collection」(Cassina)等。エスニックという観点で、モンゴルの山々に着想を得たというルチディペヴェーレの「Yak」(De Padova)、中国風なラファエッラ・マンジャロッティとマルコ・ラヴィーナの「Honey」(Serralunga)。

そして、エスニックを凌ぐブームとなっているのがローカルと、昨年からデザイン界を支配しているというノルディック・ミニマリズム。70年代スウェーデンを思わせるロナン&エルワン・ブルレックの「Kaari」(Artek)、手工芸・職人技によるマルセル・ワンダースによるブナの木のまな板「Dressed」(Alessi)。カシュカシュの壁掛けポケットになる簡易机「Fju」(Living Divani)、クリスチャン・ヴェルナーによる二重の曲げ木チューブをフレームにしたソファ「2002」(Thonet)。

マイアミは、トレンド発信地という扱い。モスクワとドバイがこれに加わって、世界をまたいで豊かなデコレーション、キッチュではないマキシマリストという点で大きな三角形を描いているという。ダンテ・オー・ベニーニ、ルカ・ゴンゾ、アルバニア人アーティストHelidon Xhixhaの鏡「Ginevra」(Fiam)。ガブリエーレ&オスカー・ブラッティのラウンドテーブル「Oto」(Gallotti&Radice)、ロドルフォ・ドルドーニのベッド「Iko」(Flou)。

※上記テキストはSalone del Mobile.Milanoの報道資料をまとめたものです
※全ての写真はSalone del Mobile.Milanoの提供によるものです

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ミラノサローネ特集2015、ミラノデザインウィーク2015一覧

山崎 泰(株式会社JDN 取締役 ブランドディレクター)

山崎 泰 Yasushi Yamazaki

株式会社JDN 取締役/ブランドディレクター

1969年、北海道室蘭生まれ、札幌育ち。北海道大学卒業、心理学専攻。デザインが好きで、空間デザイン最大手の丹青社に入社。1997年に社内ベンチャーとして「JDN」を始める。ゼロから顧客開発し事業成立の中心的な役割を担う。2011年より株式会社JDNの取締役。現在はブランドディレクターとして、コンテストのコンサルティング、取材・執筆、講演なども行う。JAPAN BRAND FESTIVALボードメンバー。趣味はサックス演奏。