ミラノサローネ 国際家具見本市 2015 | トレンド分析2

Salone del Mobile.Milano(ミラノサローネ 国際家具見本市)が発表した2015年のトレンド分析を紹介する2回目(全3回予定)。

カラーについては、パントーンによる2015年の色を「マルサラ酒色(赤茶色)をはじめとする酸化したような不透明なトーンが特徴」として、サム・バートンの「…Issima!」(Bosa)に見られる子ガモ色(Ottanio、味わいのあるグリーン)、ブルーベリー色、麦色という3色と、ロン・アラッドの「Glider」(Moroso)に見られる赤や紫のスフマート(ぼかし色)を紹介。

「花瓶は花瓶」「椅子は椅子」といったトートロジー(同語反復)にも注目している。これは、不安な世の中で確信を持って生きていくための暗示とのこと。ここで紹介されるのは、デイヴィッド・チッパーフィールドのオーク材の家具シリーズ「Fayland」「Fawley」「Langley」(e15)。吉岡徳仁の「Prism」(Glas Italia)。ジャン・マリー・マッソーの「Santa Monica Home」(Poliform)。「Santa Monica Home」は完全にカバーされている様子がフランスの布張り安楽椅子の定番であるベルジェールを彷彿させるのだという。

子ども用家具に見られるトレンドについては以下。アレキサンダー・ジラルドが1952年にデザインした、磁石によって胴体を取り外し・付け替えが可能な木製の人形「Wooden Dolls Cat and Dog」(Vitra)。アリック・レヴィの「Concentric Puzzle」(Danese)。サン・バーロンの「Ariete Unicorno Toro」、ハイメ・アジョンの「Duck Elefant Multivase」、イオンナ・ヴァトランの「Bec」とLanzavecchia+Waiの「Mimesi Urbane」(Bosa)。マルティーノ・ガンパーの「Cirque」(Gebrüder Thonet Vienna)。

デザイナーへの注目としては、シャルロット・ペリアン、カルロ・モリーノ、フィンランドのデザイナー・彫刻家であり2015年に生誕100年となるタピオ・ヴィルカラ、イタリアのキネティック・アート等の作家ナンダ・ヴィーゴなどがあげられている。彼女ら彼らの様々な復刻と共に、カルロ・モリーノを思わせるivdesign.itのコーヒーテーブル「Schegge」(Valsecchi 1918)のプロトタイプ、ナンダ・ヴィーゴによる1971年デザインのプフ「Blocco」(Driade)等に注目とのこと。

※上記テキストはSalone del Mobile.Milanoの報道資料をまとめたものです
※全ての写真はSalone del Mobile.Milanoの提供によるものです

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ミラノサローネ特集2015、ミラノデザインウィーク2015一覧

山崎 泰(株式会社JDN 取締役 ブランドディレクター)

山崎 泰 Yasushi Yamazaki

株式会社JDN 取締役/ブランドディレクター

1969年、北海道室蘭生まれ、札幌育ち。北海道大学卒業、心理学専攻。デザインが好きで、空間デザイン最大手の丹青社に入社。1997年に社内ベンチャーとして「JDN」を始める。ゼロから顧客開発し事業成立の中心的な役割を担う。2011年より株式会社JDNの取締役。現在はブランドディレクターとして、コンテストのコンサルティング、取材・執筆、講演なども行う。JAPAN BRAND FESTIVALボードメンバー。趣味はサックス演奏。