編集部の「そういえば、」―ゴールデンピンデザインアワード展 in 台湾

編集部の「そういえば、」―ゴールデンピンデザインアワード展 in 台湾

そういえば、2025年12月にJDN編集部として2度目の台湾取材に行ってきました。取材先のメインイベントは「台湾デザインウィーク」と、国際的なデザイン研究会議「IASDR」。いずれも、台湾デザインの動向を知り、デザインの「その先」を見つめる視座を与えてくれる貴重な機会となりました。こちらのレポート記事は2月上旬に公開予定ですので、ぜひお楽しみに!

(昨年の台湾デザインウィーク レポート記事はこちら

本記事では、台湾デザインウィークの会期中に授賞式典が開催された「ゴールデンピンデザインアワード」の受賞展の様子を紹介します!なお、同展は2026年4月26日まで開催中。

展示会場の入り口外観

台湾デザインウィークのメイン会場は、台北市に位置するカルチャーセンター「松山文創園区」。ゴールデンピンデザイン展も同施設の一角で開催されている

1981年に台湾でスタートした同賞は、2014年以降、募集対象を全世界に広げ、国際的なアワードへと進化しました。2025年度は28の国と地域から作品が集まり、「プロダクトデザイン」「コミュニケーションデザイン」「空間デザイン」「統合デザイン」の4カテゴリーで計429件が受賞。さらに、年間最優秀デザイン賞に22名、年間特別賞に3名、ゴールデンピンコンセプトデザイン賞の年間最優秀コンセプト賞に3名が選出されています。

また、総勢81名の審査員は5大陸19地域から集まり、日本からはミナ ペルホネン創設者の皆川明さんが参加しました。

奥行きのある展示室に、一列に作品が並ぶ

受賞展の会場の様子。「テンポ」がテーマの部屋

会場のコンセプトは「スケール(規模)のスペクトラム」で、3つの会場を使い、作品ごとの「重さ」「大きさ」「テンポ」といったスケールが表現されました。例えば「テンポ」がテーマの部屋では、テンポの早さ(効率の良さ)・遅さを象徴する作品を順に並べていたり、「いますぐ解決すべき課題に対応するもの」「何十年・何百年と時間をかけて効果が現れてくるもの」などが対比的に並べられていたり。

壁で区切られたいくつかのブースに作品が展示されている

「大きさ」がテーマの部屋

また、作品のキャプションには円形のグラフが描かれ、審査基準である「革新性」「機能性」「社会性(つながり)」「審美性」「統合性」といった項目が数値化されていました。一目でその作品の何が高く評価されたかが分かる仕組みです。

以下、展示作品のなかから数点をピックアップして紹介します。

多種多様な魚を使った料理のグラフィックの展示

台北にあるミシュランレストランの事例。台湾近海や深海に生息する魚を主役にしたメニューを提供し、海洋問題への深い理解を広める活動。料理だけでなく、アート、インスタレーションなどを通して創造的なダイニング体験を生み出した

ポスター展示

(左)香港のプロジェクトで、女性の生理に対する偏見や、ネガティブなイメージを払拭するためにおこなわれたキャンペーン活動(右)デザインスタジオ6Dの木住野彰悟さんがアートディレクターを務めた、不二家のリブランディングプロジェクト。ベストデザイン・オブ・ザ・イヤーを受賞

ベッドの壁の一面を外すと、テーブルとしても利用できるプロダクト

台湾の家具メーカーが製造する、赤ちゃんが生まれてから7歳くらいまで使えるベビーベッド。最初はベッドとして、後にテーブルやドレッサーとして利用できる

ブルーの色鮮やかな、コンパクトなスツール

タイの家具メーカーによるスツール。六角形の構造をした大きなアルミニウムチューブからなり、リサイクル可能。親しみやすい形状と見た目の軽快さも魅力的

一面に傾斜のあるデザインで、中央に換気用の孔があいているブロック

タイで有孔コンクリートブロックの製造をおこなう企業の事例。この換気ブロックは3つの形状の型があり、建物に通気性をもたせるだけでなくユニークな外観をつくりだす

今回紹介した受賞作品は、公式サイトからも閲覧できますので、ぜひチェックしてみてください。

そして、台湾取材ではさまざまなデザイン事例に出会えるのはもちろん、滞在中にいただく台湾グルメもひそかな楽しみのひとつでした。

「Wataru」のロゴと水色のグラフィックがかわいらしいドリンクカップ

台北にオープンしたばかりの、ほうじ茶専門店「Wataru」のほうじ茶ラテ。滑らかな口当たりのなかに、ほうじ茶の甘さと深みを存分に感じる

魯肉飯や小籠包、牛肉麺、豆花といった台湾グルメを食べられるお店は日本でも増えてきていますが、現地に行くとまだまだ見慣れない料理にたくさん出会います。(というか、台湾の方は食べきれないほどの料理でおもてなしをしてくださるので、本当にたくさんの料理を食べることになります!)

日本人の舌にも合う味付けが多い印象で、とにかく何を食べてもおいしい台湾料理。また別の機会に、取材先で出会ったグルメを紹介したいと思います!

(萩原あとり)