編集部の「そういえば、」2022年6月

編集部の「そういえば、」2022年6月

ニュースのネタを探したり、取材に向けた打ち合わせ、企画会議など、編集部では日々いろいろな話をしていますが、なんてことない雑談やこれといって落としどころのない話というのが案外盛り上がるし、あとあとなにかの役に立ったりするんじゃないかなあと思うんです。

どうしても言いたいわけではなく、特別伝えたいわけでもない。そんな、余談以上コンテンツ未満な読み物としてお届けする、JDN編集部の「そういえば、」。デザインに関係ある話、あんまりない話、ひっくるめてどうぞ。

“当たり前であること”のすごさを実感する企画展

そういえば、今月を振り返ると、展示会や見本市などに多く参加できたなと感じます。ここではその中からギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)にて開催されている「佐藤卓TSDO展〈 in LIFE 〉」の会場の様子をご紹介します。残念ながら会期は本日までですが、行けなかった方の参考になれば嬉しいです。

展示会場1階の様子

「ロッテキシリトールガム」や「明治おいしい牛乳」のパッケージデザイン、「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE」のグラフィックデザイン、「デザインあ」のなど多くの方がご存知のブランドや施設のアートディレクションを手がけている佐藤卓さん。本展は、1984年に佐藤さんが設立したデザイン事務所・株式会社TSDOによる企画展です。

展示1階の様子

展示構成は大きく2つに分けられ、1階では2004年に同館で開催された「佐藤卓展<PLASTICITY>」以降、佐藤さんが自発的に制作してきた作品を中心に展示。そして地下では、TSDOとして関わってきたデザインの仕事を展示し、その両側面を対比させて紹介しています。

どちらにも共通するキーワードになっているのは、タイトルにもつけられた“in LIFE”。ここには、当たり前の生活の中にあるという意味が込められています。

展示地下の様子

展示地下の様子

地下の会場では「生活用品」「調味料」「お菓子」など、これまでに手がけてきた商品が段ボールの什器にジャンル分けされ美しく並んでいました。会期が終わると破棄されがちな什器ですが、今回会場で使用された什器は100%リサイクル可能な強化段ボールが採用されたとのこと。軽量な素材で折り畳み式になっており、簡単に組み立てることが可能だそうです。なお、各商品に対する解説も什器に直接印刷されており、無駄のない様子も美しく感じました。

什器に記載された解説。写真は2003年から携わっているという「神戸コロッケ」の解説文。

少し足を進めただけでも「これもあれも家にある」「このブランドも担当していたのか!」という驚きが続く本展。自分の生活の中にTSDOのデザインが普通に存在していることを実感し、“当たり前であること”のすごさがじんわりと伝わってきました。

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(JDN編集部)