ランドスケーププロダクツが携わる仕事や人を紹介するコラム「Man Made Objects」の第5回目。今回はランドスケーププロダクツのオリジナル家具についてご紹介いたします。

オリジナル家具の店「Playmountain」

ランドスケーププロダクツのオリジナル家具は、ショップ「Playmountain（プレイマウンテン）」で展示、販売しています。同店は2000年、渋谷区千駄ヶ谷にオープンしました。当初からオリジナル家具をはじめ、ヴィンテージの家具やオブジェ、現代のデザイナーのプロダクト、工芸にいたるまで、インテリアに関わるアイテムを扱ってきました。第1回のコラムでも触れた通り、「Man Made Objects（マン メイド オブジェクツ）」をテーマに、物のセレクトやプロダクト製造をしています。ジャンル、国内外を問わず、たくさんのアーティストや作家と出会い、またそれが人の輪を広げて次の活動につながり、さまざまなコミュニティとともにお店も歩みを続けてきました。

オリジナル家具の店「Playmountain（プレイマウンテン）」

家具デザインについて

製作しているものはさまざまなので、一見ルールがないようにも見えますが、家具デザインに共通して目指しているのは、素材がもつ温度感を感じられるような形にデザインし、居心地の良い空間をつくること。製作する職人さんとともに対話を重ね、一緒におもしろいと思える工法を考え、形を整えていきます。そうして鑑賞に耐えうる然るべき形に落ち着き、より多くの人にも愛着を持っていただけるものに仕上がります。コミュニケーションを繰り返すことで、気兼ねのない親密さを空間に生み出す家具になっていくことは、ものづくりの一番の醍醐味であり、とても楽しい場面でもあります。

家具の流通について

活動初期は鹿児島での家具製作から出発し、成長とともに各地での出会いを経て、現在では北海道や福岡などの家具産地でも製作を行っています。私たちの製作背景を用いて、ロサンゼルスを拠点とし活動している「WAKAWAKA」や「commune」とのコラボレーションした家具も販売しています。プレイマウンテンでは普段から特注製作を受け付けており、地方の取扱店舗でもそういった機会をつくるべく、スタッフが滞在しながらランドスケーププロダクツの家具展示を行う「Furniture Camp」も各地で巡業しています。そうした接点からもまた人やこと、物とつながっていき、つくられるデザインが常々反映されています。

こういったアイテムも法人向けコントラクトとして住宅、オフィス、商業空間などへの納品を承っています。オリジナル家具以外にも、鹿児島を拠点とし、私たちと関係の深い「Roam」や「Mokuji Furniture」によるスツールも使い勝手が良く評判です。コーヒースタンドやミーティングスペースなどに活用されています。イギリスを代表するデザイナー、ロビン・デイが設計した『Polo Chair』も安価で美しいチェアです。内外部で使用が適しており、カフェやブルワリーなどで活躍しています。

最近では、薩摩焼を代表する「沈壽官窯」と弊社との協業による陶器ブランド『CHIN JUKAN POTTERY』の直営店の移転オープン（鹿児島県歴史資料センター黎明館内）に合わせ、「Tights Book Shelf」をベースとして、空間に合わせた特注製作を行いました。内装デザインも弊社で行っています。

紹介が多岐にわたりましたが、販売のみならず家具のあり方が多面的にあることがおもしろみのひとつであると思います。

テキスト：佐々木達也（Landscape Products）