
1919年にドイツで開校され、近代芸術史に大きな足跡を残した美術学校バウハウス。本書は美術史家の伊藤俊治さんによる、バウハウスの教育がアートや建築、デザインに与えた影響についてまとめられた1冊です。
著者が40年近くにわたり集めてきたバウハウス関連書100冊を紐解きながら、バウハウス100年の歴史を考察する本書。
伊藤さんは、100年経ってもバウハウスの魅力は衰えず、時代やメディアが変換するたびに形を変えながら出現してくるそのビジョンの永続性を「バウハウス・マジック」と呼び、その魅力を余すところなく伝えています。
「ヴァルター・グロピウスにとってバウ(建築)とは精神的で象徴的な行為のことであり、一種のエネルギーの型のことだった。その創造の型が世界中に拡がり、今また組み替えられて出現しようとしている。そのことの意味を再考する必要があり、この本がその未来のドキュメントとなることを願っている(伊藤俊治)」
ブックデザインは、ユニークなデザインに定評がある、ブック・デザイナーの松田行正さんが担当しています。
松田行正(ブック・デザイナー)装丁のデザインコンセプト
バウハウス本ということで「光と白」をテーマとしました。そこで、いちばん光り輝くタントの蛍光イエローI-60(表紙、見返し、別丁扉)と、白く輝くアラベール-FS ウルトラホワイト(帯)を使い、「発光する本」をめざしました。そのために上製本の芯ボールを通常のグレーではなく白くして、少し透けても濁らないようにしました。
松田行正(まつだゆきまさ)プロフィール
1948年生まれ。ブック・デザイナー。本のデザインと併行し、本のオブジェ性を探求するミニ出版社・牛若丸を主宰し、出版活動も行う。本のデザイン以外にも、せんだいメディアテーク、大社文化プレイス、みなとみらい21の元町・中華街駅プラットフォーム、まつもと市民芸術館、富弘美術館、フランスのコニャック・ジェイ病院など、建築のサインも担当。デザインワークのかたわら、文字や記号を含めた「もののはじまり」に興味があり、そこから想を得た執筆活動も行っている。
発行 | 牛若丸 |
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発売 | Book&Design |
著者 | 伊藤俊治 |
デザイン | 松田行正 |
仕様 | A5判変形、上製(ホローバック製本)、264ページ、モノクロ |
価格(税込) | 3,960円 |
ISBN | 978-4-909718-05-1 C3070 |