日々に寄り添う生活道具をつくるブランド・KINTOから発売されている、ベビーとキッズのためのテーブルウェア「BONBO」。製品デザインはプロダクトデザイナーの柴田文江さん、パッケージデザインはグラフィックやサインなど、多角的に企画立案製作に携わるOUWN株式会社の石黒篤史さんが手がけました。
子どもが好みそうなかわいらしさを表現しつつ、大人向けに洗練されたパッケージについて、このデザインが生まれた背景やコンセプトなどを石黒篤史さんにお伺いしました。
■背景、課題
ベビー、キッズ用の食器なので、温かみがあり、優しい印象を受けることは大前提であり、そこにプラスする形で子どもならではの遊び心といったものを表現したいというのが課題でした。ただ、ポップにカラフルな方向でベビー・キッズ感を演出することはブランドイメージにはないため、子どもとは相反するような洗練されたイメージで、親が友だちにプレゼントしたくなるようなものにしたいと考えました。

BONBO
■コンセプト
「毎日の食事の時間が楽しい記憶として残るように」というコンセプトを、プロダクトのアウトラインを抽出し、動きをつけて配置していくことで表現しています。
表面にはカラーのグラフィック、裏面を黒一色のグラフィックにすることで、太陽に照らされて落ちた影を表現しています。子どもが晴天の中、元気に青空の下を走り回り強く落ちる影をイメージし、爽快感を感じるようにしました。文字にも動きをつけることで、活発な印象を与えるように設計しています。

表面はカラーのグラフィック、裏面を黒一色のグラフィックにし、太陽に照らされて落ちた影を表現
■手法、特徴
親子で「これは〇〇に見えるね」などの会話が弾むと嬉しいなと、プロダクトのグラフィックの配置も何かを連想できるようにさまざまな構図を検証しました。背面と側面の文字も同様に動きをつけることで、シンプルさの中にも個性が出るようにしました。
- スタッフ
アートディレクター・デザイナー/石黒篤史(OUWN)