Vision Park

目に障がいを持った人々が、公園のように過ごすことができる空間

デザインコンセプト
山﨑健太郎デザインワークショップ

ビジョンパークは、診療から研究・治療、臨床応用・リハビリまで行う神戸アイセンターのエントランスであり、公園のように様々な人々が行き交う場所として構想された。

ここで求められるものは、目に障がいのある人々が一人ではないことを実感でき、生きることに勇気を持てるような空間である。そこには、安全に楽しむための段差によって空間が規定され、目的を持った場所のみに誘導する手すりや、段差を知らせる点字ブロックはない。ここは、目に障がいを持った方々がただ守られるのではなく、また病院がリスクヘッジに注力しすぎることもない。目に障がいを持った人々が、自らの身体を活かして、のびのびと空間を楽しむ場所として設計をしている。

硬さや柔らかさの違うマテリアルを使用することで、触ることで空間の変化を感じ取ることができる

床の色を変えることで、領域の境が感じられる

設計に際して、「目に障がいのある人の方が楽しめる空間」を目指すための試みとして、視覚に頼らずに空間を認知できるレイヤーを複数重ねた。硬さや柔らかさの違うマテリアルを選び足裏で変化を感じ取ること。色の違いを使って、薄目で見ても領域の境が感じられる床を作ること。これらの、目に障がいを持った人の身体が拡張するような工夫を行った。

所在地 兵庫県神戸市
床面積 512㎡
プログラム 病院
プロデューサー 高橋政代
ディレクター 三宅琢
家具デザイン 藤森泰司アトリエ/藤森泰司
ブックディレクション BACH/幅允孝
神戸アイセンター 建築設計 日本設計
撮影 千葉正人