PICCO LINO(ピッコリーノ)

神社とともにある、空き家を改修したパン屋

デザインコンセプト
担当:飯山千里建築設計事務所

800年前から地域に親しまれている、安産・子育ての宮、山名八幡宮。「PICCO LINO」は、その境内に面した築50年以上の空き家を改修した、地場産小麦、天然酵母、水、塩のみでつくるパンの製造と販売を行うお店です。

麦畑が広がる緑豊かなこの地域で、時間を掛けて丹念に削ぎ落とされた素材と向き合うパンづくりの姿勢を、空間にも継承。

既存建物を熟成された素材として捉え、軸組や建具などをあえて見せ、撤去した天井材も棚やカウンターに再利用。自然光を取り入れながら、新しい建築要素の添加を抑え、パンの存在が際立ち、時間の力を感じることができるシンプルな空間をつくりました。

決して派手ではない、素朴な姿のパンと既存建物のもつ美しさを丁寧に取り扱うことで、「小麦の味」「空き家の風合い」「神社の風景」といった、今ある身近なものの素晴らしさに気付き、大切に想える生活につなげたいと考えました。

所在地 群馬県高崎市山名町1579-4
用途 天然酵母パンの製造と販売
構造 木造
延床面積 57.56m2(改修後)、77.01m2(改修前)
開業日 2016年4月15日
設計 飯山千里/飯山千里建築設計事務所
アートディレクション 加藤智啓/EDING:POST
クリエイティブディレクション アソボット
施工 小山建築
撮影 栗原論