2015/3/18 10:00
- デザインコンセプト
- 担当:成瀬・猪熊建築設計事務所
「都市のようなワークプレイス」
イノベーションセンターとは、企業や個人が従来の枠組を超えて協働するプラットフォームのような場所である。KOILでは分野を横断するコミュニケーションを円滑にするため、一つのワークプレイス内に、集中する・くつろぐ・プレゼンテーションする・作る・食べるなど様々な機能を内包する。私たちはこれらのスペースを、天井高さ・照明の色温度・仕上げに多様性をもたせながら、中央を貫くパブリックゾーンを中心に展開させた。これによって、利用者が様々な場所を自由に選び取って仕事をすることができる冗長性がうまれ、共用の機能をシェアすることで、他の利用者と様々な接触が生まれる。
こうした冗長性を突き詰めると、仕上げや家具といった要素が全体の構成と同等の影響力を持ち始める。フラットなコミュニケーションのためには、最終的な仕上げがイメージさせてしまうスタイルや意味を回避する必要がある。そこで、内装においては共用部の天井のダクトを現し、諸室の仕上げに下地材を使用した。また、家具に関しては、高さ・大きさ・形に多様性をもたせると共に、ダイナミックな利用変更に対応しそのほとんどにキャスターをつけた。これらは、ある大きな構成に対する下部構造として仕上げや家具の最適解を決定するのとは別の、ある種の未完成さの設計である。
イノベーションセンターという複雑で未知な施設のための空間は、様々な活動が同時に動的に起こり続ける、都市のような場所となった。
所在地 | 千葉県柏市若柴178番地4柏の葉キャンパス148街区2ショップ&オフィス棟6階 |
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主要用途 | オフィス |
竣工 | 2014年3月 |
構造 | SRC |
延床面積 | 2,576m2(工事範囲) |
企画・プロデュース | 三井不動産、ロフトワーク |
建築 | 成瀬・猪熊建築設計事務所 担当/成瀬友梨 猪熊純 古市淑乃 |
設備 | 環境エンジニアリング 担当/成田賛久 川村光 |
監理 | 成瀬・猪熊建築設計事務所 担当/成瀬友梨 猪熊純 古市淑乃 |
カーテン | 安東陽子デザイン 担当/安東陽子 山口かすみ |
照明 | 岡安泉照明設計事務所 担当/岡安泉 杉尾篤 齋藤太一 |
アートディレクション | れもんらいふ 担当/千原徹也 |
ロゴデザイン | モトモト |
家具 | 成瀬・猪熊建築設計事務所、バッタ☆ネイション |
施工 | 乃村工藝社 担当/西堀知行 木村俊作 高杉力哉 |
空調・衛生・電気 | ユアテック |
写真 | 西川公朗 |