創立200年のDURAVIT。デザイナーズバスルームブランドとなったいま、守り続ける3要素とは

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©DURAVIT
国内外で“老舗”と呼ばれる企業に共通するもの。そのひとつは、一貫したブランドフィロソフィーを保ちながら、絶えまない革新を続けた歴史だ。日常生活に根ざしたプロダクトは、どのような変化をし、どこを変えずにきたのか?ドイツの老舗メーカー「DURAVIT(デュラビット)」が、人々の暮らしを快適にするために大事にしてきたことを聞いた。
DURAVITの最新シリーズ「DuraSquare」 ©DURAVIT

DURAVITの最新シリーズ「DuraSquare」 ©DURAVIT

陶器工房からグローバル企業へ

1817年、ドイツ・シュヴァルツヴァルト(黒い森)地域の小さな街、ホルンベルクで生まれたDURAVIT。セラミック工房として始まった同社は、1842年に洗面ボウルなど最初の衛生陶器製品を生産。20世紀半ばにバスルーム用の衛生陶器に主要製品が移行する。1960年以来、同社の製品はDURAVITのブランド名で販売してきた。

1817年、ドイツ・シュヴァルツヴァルト地域の小さな街、ホルンベルクで生まれた「DURAVIT」 ©DURAVIT

1817年、ドイツ・シュヴァルツヴァルト地域の小さな街、ホルンベルクで生まれた「DURAVIT」 ©DURAVIT

DURAVITは、ラテン語で「耐久性があり長続きすること」を意味する「durabilis」と、セラミック素材の一般的な呼称である「vitreous china(溶化磁器)」、これら2つの言葉と意味の組み合わせに由来した社名だ。

1977年にバスルームファニチャー、1982年にバスルームアクセサリー、そして2017年には水栓の生産も開始される。現在では、シャワートイレやサウナといったウェルネス技術、水栓金具の開発と生産も行う、デザイナーズバスルーム製品の総合的なメーカーになった。

現在の生産拠点は11か所、約6000名の従業員を擁するグローバル企業のDURAVITを率いるのが、CEOのフランク・リヒター氏。

DURAVITを率いるフランク・リヒターCEO  ©DURAVIT

DURAVITを率いるフランク・リヒターCEO ©DURAVIT

彼は同社が備えるコア・コンピタンス(他社に勝る競争力の源泉)を挙げた。それは「独自のデザイン」「最高の品質」「快適性を向上させる技術」の3つだという。

世界で初めてバスルーム製品に著名デザイナーを起用

DURAVITがそれまでに増して注目されるようになったきっかけは、1980年代後半にディーター・ジーガーがデザインしたバスルームシリーズ「Giamo(ギアモ)」の登場からだ。バスルーム製品のデザインに著名デザイナーを起用したのは同社が初となる。

その後、1994年にはフィリップ・スタルクが「Starck 1(スタルク ワン)」を発表。世界中のホテルやレジデンス、公共施設などで長く愛されるシリーズになった。セラミック、ファニチャーキャビネット、バスタブ、バスルームアクセサリーなど、当時と同じ方法で職人がひとつずつ丁寧につくりあげている。

フィリップ・スタルクがデザインした「Starck 1」。1994年から同じメソッドと職人の手作業によってつくられている ©DURAVIT

フィリップ・スタルクがデザインした「Starck 1」。1994年から同じメソッドと職人の手作業によってつくられている ©DURAVIT

フィリップ・スタルク ©James Bort

フィリップ・スタルク ©James Bort

「リビングエリアをデザインするインテリアデザイナーのように、私たちはバスルームのデザイナーになっています。過去30年間、バスルームのデザインに対して人々が新しい意識を確立するのに重要な役割を果たしてきました」とリヒターCEOは自信をのぞかせる。

同社のデザイナーズシリーズには息の長いものが多い。EOOS Designが手がけた台形や五角形のバスタブ「Paiova(パイオヴァ)」シリーズ(2004年)、スタルクによる「Starck 1」(1994年)、「Cape Cod(ケープコッド)」(2015年)、「ME BY STARCK」(2015年)などのシリーズなどを見ても、流行り廃りがあるトレンドとは一定の距離を置く、どの時代にも通用するタイムレスなデザインを志向するように映る。

【導入事例】エルプフィルハーモニー
ハンブルグの港に臨む複合施設「エルプフィルハーモニー」©DURAVIT

ハンブルグの港に臨む複合施設「エルプフィルハーモニー」©DURAVIT

「エルプフィルハーモニー」衛生施設には、「Scola」の洗面台と「Starck 3」のトイレが設置されている ©DURAVIT

「エルプフィルハーモニー」衛生施設には、「Scola」の洗面台と「Starck 3」のトイレが設置されている ©DURAVIT

【導入事例】東京ステーションホテル
国の重要文化財である東京駅丸の内駅舎の中、地下2階から地上3階(一部4階)に位置する「東京ステーションホテル」

国の重要文化財である東京駅丸の内駅舎の中、地下2階から地上3階(一部4階)に位置する「東京ステーションホテル」

バスルームはクラシックでありながら「快適性」を追求した落ち着きのあるデザイン。フィリップ・スタルクがデザインした「Starck 3」 のアンダーカウンター洗面ボウルが採用されている

バスルームはクラシックでありながら「快適性」を追求した落ち着きのあるデザイン。フィリップ・スタルクがデザインした「Starck 3」 のアンダーカウンター洗面ボウルが採用されている

外部デザイナーの力を借りるだけでなく、DURAVITは自社のデザインセンターにも強みを持っている。洗練されたシャープなスクエアなデザインが人気の「Vero(ヴェーロ)」シリーズ(2001年)や、最新作「Vero Air」シリーズ(2017年)、「DuraSquare」シリーズ(2017年)はデザインセンターから生まれたものだ。

2004年、ホルンベルク本社にオープンした「デュラビット・デザインセンター」はフィリップ・スタルクがデザイン。最上階からはブラック・フォレスの美しい景色を楽しめ、外観自体がショールームとしての役割を果たしている。アイコニックな巨大なトイレが印象的 ©DURAVIT

2004年、ホルンベルク本社にオープンした「デュラビット・デザインセンター」はフィリップ・スタルクがデザイン。最上階からはブラック・フォレスの美しい景色を楽しめ、外観自体がショールームとしての役割を果たしている。アイコニックな巨大なトイレが印象的 ©DURAVIT

DURAVITの製品には、これまでの歩みに基づいた「明確なデザイン言語がある」とリヒターCEOは言う。

「私たちのデザイン言語は、現代的でありながら流行を追わず、絢爛豪華というよりも実直で、常にタイムレスなもの。ユーザーの快適性を向上させる技術を常に追求していますが、決して製品デザインを犠牲にすることなく、すべてのバスルーム製品において一貫したデザイン言語を創り上げてきました」

さまざまなデザイナーが関わり、製品ジャンルが多岐にわたるようになったいまでも“DURAVITらしさ”を保ち続けられる理由だろう。

また、DURAVITの妥協のないものづくりの姿勢に、デザイナーたちは下記のようなコメントを寄せていることからも、双方の信頼関係は確かなものであることが伝わってくる。

「デザインとはシンプルで正直であること。それを実現するには、どのようにパートナーを選ぶかということが重要な要素であり、当然正直で真面目な実業家であるDURAVITのようなパートナーを選択することが重要と言える」(フィリップ・スタルク)

「イノベーション(革新)から逃げずに、自分たちを追及するのがDURAVITだ。それこそデザイナーたちが望んでいることである」(ミヒャエル・ジーガー/ジーガー・デザイン)

クラフトマンシップと最先端技術の掛け合わせ

「創業以来、セラミック製品の製造における精度とクオリティの向上に注力していました。最高品質のセラミックの製造に携わってきた私たちは、セラミック加工分野での長い伝統と優れた専門知識があります」とリヒターCEO。

デザイナーズバスルームリーディングカンパーニーとしてグローバルに成長した現在も、本社は創業の地であるホルンベルクに置かれている。隣接する工場では、最先端の素材や技術を研究開発しながら製造が行われている。

「製品開発ではソフトウェアによるバーチャルなシミュレーション手法と、物理的なテストの両方で行われます。DURAVIT製品の高い品質は、高度な職人技術とクラフトマンシップに支えられた手仕事とハイテク技術の組み合わせにより、初めて生み出されるのです」

©DURAVIT

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創業200周年のメモリアルイヤーにあたる2017年、セシリエ・マンツを起用して発表されたバスルームシリーズ「Luv(ルフ)」。北欧のピュアリズムとタイムレスな優雅さを備えた同シリーズは、セシリエ・マンツの絶妙な感覚で素材とカラーがセレクトされている。洗面ボウルの素材は、強化セラミック「DuraCeram®(デュラセラム)」。この、研究開発の賜物ともいえる新素材は、高い精度と強度を保つ特性がある。

薄いリムの楕円型洗面ボウルの内側は有効面積が広く、使いやすい仕様に。洗面ボウルの外側の色はホワイトのほか、サテンマットホワイト、サテングレー、サテンサンドの4色から選べる ©DURAVIT

薄いリムの楕円型洗面ボウルの内側は有効面積が広く、使いやすい仕様に。洗面ボウルの外側の色はホワイトのほか、サテンマットホワイト、サテングレー、サテンサンドの4色から選べる ©DURAVIT

セシリエ・マンツ ©DURAVIT

セシリエ・マンツ ©DURAVIT

セラミック製の工業製品において、エッジをここまで薄くして焼くデザインは一般的に難しいとされる。だが、セシリエ・マンツが最初に心に描いた「シンプルなテーブルに置かれた、水で満たされた洗面ボウル」という姿の具現化は、妥協のないDURAVITのプロダクションとの協業で生み出せた、と自身も語っている。

「Luv」のバスタブ素材には、人造大理石の「DuraSolid A(デュラソリッド エー)」が採用された。マットな質感で肌当たりが良いとされ、シリーズ全体の温かみのあるデザインとも親和性があるとの理由からだ。バスタブにはオプションで、オーディオなどの現代的な機能を目立たせずに装備することができる(※オプションのオーディオは日本では未発売)。

「Luv」 フリースタンディングタイプのバスタブ。DURAVITオリジナルのミネラルキャスティングでシームレスなデザインを実現 ©DURAVIT

「Luv」 フリースタンディングタイプのバスタブ。DURAVITオリジナルのミネラルキャスティングでシームレスなデザインを実現 ©DURAVIT

快適性を向上させるリサーチにも注力

DURAVITの研究開発部門は、ホルンベルク本社と上海の「デュラビットサニタリーウェアテクノロジー」の2か所に設置されている。ここでは材料工学だけではなく、ユーザーエクスペリエンスの設計にも比重が置かれている。

「DURAVITは、マテリアル工学やトイレのフラッシング技術、照明、音響、バスタブのウィールシステムなどの電気工学まで、使い勝手やユーザーの五感に関わる、あらゆる分野の技術革新を絶えず行っています。快適性を高める新しいテクノロジーは誇示するものではなく、魅力的なデザインの一部として取り込まれ、ユーザーの日々の生活の中で付加価値を生み出すものであるべきです」とリヒターCEOの説明は明快だ。

住宅ではDURAVITのブランドを指名する施主も増えている。「建築家やデザイナーの自邸でご採用いただくケースも多い」(DURAVIT JAPAN)

店舗、住宅、オフィスの空間や家具を中心としたインテリアデザインを手がける、Puddle株式会社代表の加藤匡毅氏の自宅兼事務所の「Kamiyama Residence」では、2階と3階のバスルームエリアにDURAVITの洗面ボウルとトイレ、バスタブが導入されている。

Puddle株式会社代表の加藤匡毅氏の自宅兼事務所の「Kamiyama Residence」 ©Takumi Ota

Puddle株式会社代表の加藤匡毅氏の自宅兼事務所の「Kamiyama Residence」 ©Takumi Ota

バスルームエリアにはDURAVITの洗面ボウルとトイレが導入されている ©Takumi Ota

バスルームエリアにはDURAVITの洗面ボウルとトイレが導入されている ©Takumi Ota

未来のバスルームにテクノロジーは必須になるのだろうか。この最後の問いかけに、リヒターCEOはこう答えた。

「ユーザーの感覚に訴えかけるフィーリングや、使い勝手もとても重要な要素です。これらの組み合わせと、DURAVITのイノベーションに取り組む姿勢が未来のバスルームをインテリジェントにデジタル化することを可能にし、お客様の現在とこれからのニーズを満たすことができると考えています」

長い年月をかけて、絶えまない革新を続けるプロダクト。品質、デザイン、テクノロジーの三位一体で、次の世紀も人々の快適さを支えることだろう。

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構成・文:神吉弘邦

DURAVIT
www.duravit.co.jp