天王洲アイルに伝統画材ラボ「PIGMENT(ピグモン)」がオープン!

天王洲アイルに伝統画材ラボ「PIGMENT(ピグモン)」がオープン!

日本ブランドの希少な画材を取り揃えたラボ「PIGMENT(ピグモン)」が7月27日、天王洲アイルにオープンした。良質な素材を扱っているメーカーと作家を繋ぎ、世界で通用する日本の若手作家の育成・サポートを行う拠点として寺田倉庫が立ち上げた店舗だ。店名のPIGMENT(ピグモン)は「顔料」という意味からつけられた名前。

広さ200m2のゆったりした店内には、4000色におよぶ顔料や200種類を超える古墨、常用のものから博物館級のものまで揃う硯(すずり)、さまざまな動物の膠(にかわ)、箔など伝統画材が陳列されている。もちろん画材だけでなく筆や和紙、木枠などの品揃えも豊富に取り揃えられた。

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店舗のデザインを担当したのは、建築家・隈研吾氏。竹の簾をイメージした有機曲面で構成した現代的なデザインで、天井の全面にあしらわれた優雅で大胆な曲線を描く竹の姿は、優美なたたずまいながらも圧倒的な存在感が漂う。

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ピグモンはアート作品の保存・保管、展覧会を企画するなど総合アート事業を展開する寺田倉庫が運営を行う。昨年から若手アーティスト発掘の支援を行うTERRADA ART AWARDを開催し、文化芸術分野に力を入れている会社だ。近年、伝統技法で作られる東洋絵画の画材生産は減少傾向にあり、経済状況や少子化の影響で美術に親しむ人口が減っているという。そういった問題も、ピグモンを開設する背景のひとつになったようだ。

青色だけでも何十種類も揃えられている。店頭にない色も受注生産が可能

多くの塗料や絵具の素として用いられる顔料。4000種類以上が並ぶ棚は圧巻

寺田倉庫社長執行役員の中野善壽氏は、「ピグモンはお店でもありますが、ある意味ではミュージアムです。4500種類のものが揃い、ひとつひとつに神が宿るように、大切に運営していきたい。まだ、会社としてやりたいことの30%くらいしかできていません。ここからがスタートで、アートやカルチャーを発信する拠点としていきたい」と、話した。

専門知識が豊富な画材のエキスパートがアドバイスもしてくれるので、詳しくない人も安心して訪れることができる。また、美術大学の教授や画材メーカーによるワークショップも開催される予定。趣味で創作をしたいという方からプロや研究者まで、幅広いユーザーの創作意欲を刺激する空間だ。

ショップコートはspoken words projectの飛田氏がデザイン。扱う画材をヒントに「顔料=硬質、水=柔らかい」をリバーシブルで表現

ショップコートはspoken words projectの飛田正浩氏がデザイン。扱う画材をヒントに「顔料=硬質、水=柔らかい」をリバーシブルで表現

顔料と混ぜて使う、膠(にかわ)。動物の皮や骨などを煮出して作られる接着剤

顔料と混ぜて使う、膠(にかわ)。牛や魚、豚や鹿などを材料とした、ここでしか手に入らないオリジナルの膠が並ぶ

大小さまざまな筆、絵画用や表具用のはけなどが揃う

大小さまざまな筆、絵画用や表具用のはけなどが揃う

硯や墨も種類が豊富。硯はそれぞれ模様や質感がまったく違う

硯や墨も種類が豊富。硯はそれぞれ模様や質感がまったく違う

無機顔料と膠を練り合わせ造られた彩墨

無機顔料と膠を練り合わせ造られた彩墨

ライティングテーブルでは和紙の質感がわかりやすくなる

ライティングテーブルでは和紙の質感がわかりやすくなる

店内奥にはワークショップなどで使う水道も備え付けられている

店内奥にはワークショップなどで使う水道も備え付けられている

所在地:東京都品川区東品川2-5-5 TERRADA Harbor Oneビル1F
営業時間:11:00~20:00
定休日:月曜日
公式サイト:https://pigment.tokyo/