福井県の伝統工芸である越前和紙。明治元年創業の山次製紙所は、越前和紙固有の技法を用いた模様小間紙(千代紙や折り紙など、趣味や装飾用に加工した紙)の製造を中心におこなう会社です。
2017年に立ち上げたプロダクトライン「series(シリーズ)」は、日本の生活になじんでいた和紙が洋紙に置き換わる中で、和紙にも多様な用途を持たせ、その可能性を模索していきたいという想いから生まれました。
商品のひとつ「和紙箱」は、「浮き紙」という技法により、鋭角な凹凸による模様の表現が可能となった越前和紙の小箱。「浮き紙」とは、和紙を漉く過程で凹凸をつける技法で、エンボス加工よりもエッジの精度が高く、自由な立体表現をつくり出すことができます。
思わず凹凸に触れたくなるパターンのバリエーションは、kikagaku、dot、curveの3種類。色は、赤、薄黄、ねずみ、うぐいす、淡青の5種類で展開しています。身の部分には、日本三大美林のひとつである天然の秋田杉を使用しているため、優しい手触りと豊かな香りが特徴。名刺や文具、小物入れとしてなど、身近なものをしまっておきたい箱です。
ブランド:山次製紙所
明治元年創業の、美術小間紙の製紙所。奉書紙などの無地物の手漉き和紙からはじまり、昭和初期頃から「引っ掛け」「漉き合わせ」「流し込み」といった越前和紙固有の技法を用いた模様小間紙の製造が主になった。近年では型押しの技法を用いて模様を浮き立たせた「浮紙」など新しい技法の開発にも積極的に取り組む。