第16回キッズデザイン賞の受賞作が発表、最優秀賞はつくば市の複合施設「なないろこまち」
キッズデザイン協議会が、「第16回キッズデザイン賞」の最優秀賞など36点を発表した。最優秀賞(内閣総理大臣賞)は、株式会社黒田潤三アトリエが設計を担当した、茨城県つくば市にある産婦人科を核とした複合施設「なないろこまち」が受賞した。
子どもの安全・安心と健やかな成長発達に役立つ優れた製品・サービス・空間・活動・研究などを顕彰する目的で開催されている同デザイン賞。今年は214点の受賞作品のなかから36点が、最優秀賞、優秀賞、奨励賞、特別賞などの各賞に輝いた。
最優秀賞の「なないろこまち」は産婦人科「なないろレディースクリニック」を核に、小児科・皮膚科・産後ケアなど出産育児を支える施設、さらにカフェやホール、広場を併設。各施設の建築物にくわえ、それらをつなげる路をデザインすることで、クリニックの枠を超えて小さな町をそのまま実現しているような複合施設となっている。出産までの特定の時期だけでなく、子を産み育てるというロングスパンで世代を超えて地域の人を引き付けるコンセプトが、「この地域で子どもを産み育てたい」「ここで知り合った人々とつながり続けたい」と感じさせる、リアルな触れ合いを大切にした良質な取り組みとして高く評価された。
このほか優秀賞8点、奨励賞16点、さらに特別賞11点が選ばれた。特別賞のなかでは「BEYOND COVID-19特別賞」として「子どもたちの清潔・安全な生活に寄与する『空気循環清浄機能付ハンドドライヤー』」(三菱電機株式会社)、「おうちファクトリーシリーズ」(株式会社学研ステイフル)、「自然に密を防ぐ遊び環境の実践」(株式会社フレーベル館)の3点が選出。いずれも、「環境の変化に伴い地域と共に子どもを産み育てる新たな提案の広がり」「自然や人と触れ合い、子どもの創造性・自主性を生み出す機会の尊重」などの観点で優れた作品となっている。
初出:コンテスト情報サイト「登竜門」
https://compe.japandesign.ne.jp/news/2022/09/66303/