劇場がストリートになる9日間、KAAT×高山明/Port Bによる「ワーグナー・プロジェクト」が10月20日から開催

劇場がストリートになる9日間、KAAT×高山明/Port Bによる「ワーグナー・プロジェクト」が10月20日から開催

既存の演劇の枠組みを超え、現実の都市に介入するプロジェクトを展開してきた高山明/Port Bと、舞台芸術専用の施設「KAAT 神奈川芸術劇場」が、劇場をストリートにするプロジェクト「ワーグナー・プロジェクト」を10月20日から28日まで開催する。

高山が約8年ぶりに劇場帰還を果たし挑むのは、楽劇王ワーグナー。芸術や都市の祝祭を更新しようとした歌合戦オペラ「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の“上演”に挑戦する。“ファシズム的な集中と求心の手法を確立した総合芸術家”と捉えられているワーグナーだが、ストリートを舞台にした「ニュルンベルクのマイスタージンガー」では、親方歌手=マスター・シンガーたちによる歌合戦が繰り広げられ、⺠衆による新たな歌や芸術が生まれる過程が描かれている。

同プロジェクトでは、⺠衆芸術として描かれた“歌合戦”を、現実のストリートで繰り広げられているラップに接続。劇場を現代の「歌い手」たちに解放し、歌・芸術・祝祭とは何かを問う。ストリート化された劇場は、初日に開催される「ワーグナー・クルー」公開オーディションを皮切りに、言葉が飛び交うサイファー空間となり、連日のスペシャルゲストライブ、グラフィティ、レクチャー、ワークショップ、MCバトルなどが同時多発的に展開される。これらはすべて鑑賞・参加自由、劇場への入退場も自由。通常の舞台と客席にかえて、グラフィティ工房やDJブース、映像アーカイブ、ラジオスタジオ、プレスセンターなどが組み込まれた「お祭り広場」が構築され、巨大なインスタレーションを歩きまわる感覚で楽しめる。

音楽監督を荏開津広、空間構成を小林恵吾、グラフィティをsnipe1が担当。磯崎新、Kダブシャイン、GOMESS、斉藤斎藤、サイプレス上野とロベルト吉野、柴田聡子、管啓次郎、瀬尾夏美、ダースレイダー、ベーソンズ、山田亮太、山下陽光らがワークショップなどの講師を務める。

http://portb.net/wagnerproject