ヴォルス-路上から宇宙へ

ヴォルス《無題》 1942/43年 グアッシュ、インク、紙 14.0×20.0cm DIC川村記念美術館 ヴォルス《無題》 1942/43年 グアッシュ、インク、紙 14.0×20.0cm DIC川村記念美術館

ヴォルス(1913-1951)は、音楽と詩に親しみ、独学で絵を描くようになった稀有な芸術家である。第一次大戦後のドイツに育ちフランスに移り住み、1930年代にまず写真家として認められた。まぶたを閉じた人物、調理前の生々しい食材などにカメラを向け、強い凝視力の写真作品を残している。

10代から水彩画、ドローイングを制作していたヴォルスは、ドイツとフランスの戦争が始まると収容所を転々とせざるをえず、そこで描くことに没頭した。目を閉じているうちにイメージをつかんだといわれる、蜘蛛の糸のような描線と澄んだ色彩は、ヴォルス独自の魅力を放っている。

ヴォルスの死の直後から「アンフォルメル」動向の先駆として、注目され評価を受ける。日本でも1950年代にアンフォルメルの作家として紹介され、1964年に東京・南画廊で初めてのヴォルスの個展が開かれている。その際、瀧口修造らが文章を寄せたカタログと画集が出版され、ヴォルスの作品が多くの人の心をつかんだ。

近年は展覧の機会が少ないヴォルスだが、DIC川村記念美術館では彼の油彩、水彩、銅版画にわたる充実したコレクションを所蔵している。本展は、これらを中心に写真作品も含めた120点でその深い作品世界を一望し、ヴォルス再評価の契機とする。

【関連イベント】
●講演会 1
「さすらいのなかで-ヴォルスの生涯と作品」
講師:千葉成夫(美術評論家、本展監修者)
日時:4月15日(土) 13:30~15:00(13:00開場)
場所:レクチャールーム
定員:50名
※予約不要、入館料のみ

※その他の関連イベントは、詳細URLをご覧ください

開催期間 2017/04/01(土)~2017/07/02(日)
※イベント会期は終了しました
時間 9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日 月曜日
入場料 一般1,300円/学生・65歳以上1,100円/小中学生・高校生600円
参加アーティスト ヴォルス
会場
  • DIC川村記念美術館
  • 千葉県佐倉市坂戸631番地
会場電話番号 050-5541-8600(ハローダイヤル)
会場URL http://kawamura-museum.dic.co.jp/
詳細URL http://kawamura-museum.dic.co.jp/exhibition/next.html