大山エンリコイサム「Kairosphere」展

大山エンリコイサム《FFIGURATI #9》2009 アクリル性エアロゾル塗料/アクリルキューブ Artwork © Enrico Isamu Ōyama 大山エンリコイサム《FFIGURATI #9》2009
アクリル性エアロゾル塗料/アクリルキューブ
Artwork © Enrico Isamu Ōyama

ポーラ美術館(神奈川県・箱根町)は、2019年3月23日から7月28日まで、現代美術展示スペース「アトリウム ギャラリー」におけるHIRAKU Project、第8回目の展示として、大山エンリコイサム「Kairosphere」展を開催いたします。

ニューヨークを拠点に活動する大山エンリコイサムは、「クイックターン・ストラクチャー」と呼ぶ表現を用い、制作を続けるアーティストです。「クイックターン・ストラクチャー」とは、地下鉄や都市の壁などにかかれたライティング(グラフィティ)の文字や色彩を取り除くことで見えてくる描線の型「クイックターン」を使用して画面を構築する、大山独自のスタイルです。彼は過去15年間にわたり、カンヴァスや壁、ファウンド・オブジェクト、さらにコム・デ・ギャルソンとのコラボレーション(2011年春夏パリ・コレクション)では衣服など、多様なメディアに「クイックターン・ストラクチャー」を展開してきました。

国内初の美術館での個展となる本展では、初公開となる新作の絵画《FFIGURATI #207》(2018年)を展示いたします。縦244cm、横幅914cmという過去最大の絵画作品は、15年間の制作活動で積み重ねられてきた「クイックターン・ストラクチャー」の集大成とも言えるでしょう。また、彼にとって制作の節目となった、アクリルを用いた立体作品《FFIGURATI #9》(2009年)も併せて展示することで、これまでの探究の軌跡をご覧いただけます。

本展タイトルの「Kairosphere」(カイロスフェア)は、「kairos」(時間)と「sphere」(圏)を組み合わせた大山による造語です。「kairos」は主観的な時間の概念であり、彼が制作のプロセスの中で感じた内面的な時間を表しています。また「sphere」は「stratosphere」(成層圏)や「atmosphere」(大気圏)といった語の接尾辞ですが、彼はこれを気体のように不定形かつ流動的な空間と定義しました。これらを組み合わせた「Kairosphere」には「緩やかにふくらむ、時間と空間の圏域」という意味が込められています。

このタイトルに示されるように、本展覧会では「クイックターン・ストラクチャー」が作品の物理的な枠と制作の時間を超え、空間全体に満ちていくようなインスタレーションをご体感いただけるでしょう。

《本文は公式サイト紹介文より抜粋》

開催期間 2019/03/23(土)~2019/07/28(日)
※イベント会期は終了しました
時間 9:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日 年中無休(ただし、展示替えのための臨時休館あり)
入場料 大人1,800円/シニア割引(65歳以上)1,600円/大学・高校生1,300円/中学・小学生(土曜日無料)700円/障害者手帳をお持ちのご本人および付添者(1名まで)1,000円
参加アーティスト 大山エンリコイサム
会場
  • ポーラ美術館
  • アトリウム ギャラリー
  • 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
会場電話番号 0460-84-2111
会場URL http://www.polamuseum.or.jp/