恵比寿のブックショップ・POSTにて、写真家の富谷昌子の展示が開催される。青森県出身の富谷昌子は、前作の「津軽」を刊行した直後、家族が同時期に妊娠したという知らせをうけたことを機に2014年から新シリーズの撮影に取り組んでいる。

「わたし」や家族、命の繋がり、年月の経過を振り返り問うような本作は「帰途」と題され、フランスの出版社Chose Communeより写真集が出版された。

POSTでは本書の刊行に合わせ、本書に収録された作品群から約15点のプリントで構成した展覧会を開催。

わたしとは何か、この世界とは何か、とか、そんなことを考えながら生きてきた。
永いあいだ答えが出ないまま彷徨って、 気づいたらまたこうして歳を重ねていた。
月日は流れ続けていたのか、それとも記憶のような夢だったのか。
これは、時間も意味もわたしも超えて、「わたし」を見つめた物語である。
－富谷昌子（「帰途」まえがきより）