海を渡ったニッポンの家具-豪華絢爛仰天手仕事-

袖簞笥付き飾り棚 (部分)/寄木細工 全体を覆い尽くす寄木細工と随所にあしらわれた透かし彫刻。脱着式の袖簞笥は斜めにカットされ、引出しもそのラインに沿って台形になっている。 所蔵:金子皓彦コレクション、撮影:大西成明 袖簞笥付き飾り棚 (部分)/寄木細工
全体を覆い尽くす寄木細工と随所にあしらわれた透かし彫刻。
脱着式の袖簞笥は斜めにカットされ、引出しもそのラインに沿って台形になっている。
所蔵:金子皓彦コレクション、撮影:大西成明

1873年のウィーン万博で、一躍人気を博した日本の工芸品。浮世絵をきっかけに巻き起こった欧州のジャポニスム流行の波に乗り、日本は輸出振興や殖産興業に力を入れ、美術工芸立国を目指すようになった。当時の陶磁器、七宝、金工品は、その超絶技巧と海外向けの独特の装飾で、今日、関連の展覧会などでも多くの注目を浴びている。

しかし、同じ目的でつくられた室内装飾としての家具は海外での需要が高かったにもかかわらず、今まであまりその存在を知られる機会がなかった。日本にほとんど現存せず、また美術工芸品と異なり、家具は廃棄されることが多いためだろう。そのような輸出家具は、西洋の生活様式に合わせたデザインに、日本の伝統意匠と細密精巧な技術が贅沢に施され、私たちはその圧倒的な密度に驚愕すると同時に、職人たちの想像を絶するほどの豊かな表現力に打ちのめされる。

本展では、世界が機能主義の近代デザインへと傾倒していく前の、人間味たっぷりで濃密な世界観を醸し出す明治の輸出向け家具類から、寄木細工、芝山細工、青貝細工、仙台簞笥、横浜彫刻家具(写真のみ)の5種類10点が展示され、仰天の手技や特徴、魅力が紹介される。近代デザイン以降、忘れ去られた明治の家具デザインや室内装飾に新たな光を当て、その卓越した技巧と表現のおもしろさが伝わる展示となる。

開催期間 2018/09/06(木)~2018/11/24(土)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~18:00
休館日 水曜日
入場料 無料
会場
  • LIXILギャラリー
  • 東京都中央区京橋3-6-18 東京建物京橋ビル LIXIL:GINZA 2F
会場電話番号 03-5250-6530
会場URL http://www.livingculture.lixil/gallery/
詳細URL http://www.livingculture.lixil/topics/gallery/g-1806/