建築家・平田晃久の個展「平田晃久展　Discovering New」が、TOTOギャラリー・間で開催される。本展では、建築を広義の生命活動として再発見することで新たな可能性を見出そうとする、平田晃久の試みが紹介される。

平田は建築を「生成する生命活動の一部」ととらえ、植物・生物・気象現象などの有機活動をつかさどる摂理を建築に取り込むことで、建築の本来のあり方を模索してきた。「建築とは、からまりしろをつくることである」という平田のコンセプトは、建築が一個体としての役割を超えて、生きている世界の一部となる可能性を見出すものだ。

平田の思想が公共建築として結実した「太田市美術館･図書館」は、市民を巻き込んだ設計プロセスを経て、内と外が有機的に絡まり合う豊かな公共空間を実現し、街の新たなランドマークとして多様な活動の場を提供している。また、「Tree-ness house」は、複雑に積層したボックスにひだ状の開口部と植物が絡まり合い、都市部における多層的な居住環境を生み出している。

本展では、こうした平田の建築活動の現在の到達点を示すものだ。過去約10年間に取り組んだ国内外の建築活動と進行中のプロジェクトを、コンセプト別に体系化し俯瞰することで、平田の建築哲学と世界観を体感していく。

【関連イベント】
●平田晃久講演会「Discovering New」
日時：5月31日（木）　開場17:30、開演18:30～20:30（終了予定）