鹿島茂コレクション フランス絵本の世界

バンジャマン・ラビエ著・絵『アゾールとミスティグリ』出版年不明(1911年初版) ©NOEMA Inc. Japan バンジャマン・ラビエ著・絵『アゾールとミスティグリ』出版年不明(1911年初版) ©NOEMA Inc. Japan

フランス文学者の鹿島茂が30年以上にわたり収集を続け、これまで秘蔵されてきたフランスの子どものための絵本コレクションが初公開される。

フランスにおいて、子どもの本の時代が到来するのは19世紀半ばである。出版社であり編集者、またP.-Jスタールの筆名で作家としても活躍したエッツェルがジュール・ヴェルヌを発掘し、『ペロー童話集』など歴史に残る児童書を誕生させた。

世紀末からベル・エポック時代にかけて、カラーリトグラフの発達とともに、絵本も美しい色の挿絵に彩られ黄金時代を迎える。端正で繊細な挿絵を描いたブテ・ド・モンヴェル、アール・デコ全盛期に活躍したアンドレ・エレ、漫画やアニメーションの先駆者バンジャマン・ラビエら、フランスの華やかな絵本の時代を築いた人気作家たちの作品は、本展の大きな見どころの1つだ。

1930年代に入るとフランスの絵本は、今日まで世界中で愛され続けるシリーズを生み出す。ナタリー・パランら絵本の先進国であるロシアや東欧出身の画家を起用し、着せ替えやぬり絵などの教育絵本を出版した「カストール文庫」、1931年の発売直後から人気を博した「ぞうのババール」シリーズなど、誰でも見たことのある絵本の出版当時の味わいを堪能できるのも本展の魅力である。

本展では、世界的にも貴重なコレクションにより、19世紀半ばからアール・デコ時代にいたる黄金期のフランス絵本の世界が紹介される。

開催期間 2018/03/21(水)~2018/06/12(火)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~18:00(3/23、3/24、3/30、3/31、4/6、4/7は20:00まで/いずれも入館は閉館30分前まで)
休館日 第2・4水曜日
入場料 一般900円/大学生(専修・各種専門学校含む)720円/中学生・高校生450円/65歳以上450円
会場
  • 東京都庭園美術館(新館)
  • 東京都港区白金台5-21-9
お問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
会場URL http://www.teien-art-museum.ne.jp/
詳細URL http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/180321-0612_frenchpicturebooks.html