所蔵作品展 こども+おとな工芸館 ピカ☆ボコ

オノマトペで読みとく工芸の魅力

所蔵作品展 こども+おとな工芸館 ピカ☆ボコ

ツヤツヤ、ピカピカ、ボコボコ、ザラザラ…。工芸作品を眺めているときに、こんな言葉が口からこぼれたことはないだろうか? 擬態語や擬声語またはオノマトペと呼ばれる語が、日本語には豊富にある。

本展は、このオノマトペを通して工芸の質感に迫る試みだ。色やかたち、歴史や地域性など、工芸をみるポイントはさまざまだが、目にも手ざわりにも好ましい質感の追求は工芸に期待するイメージの重要な部分を占めている。寒さや暑さをしのいだり、硬くてしっかりしているのか、もっとしなやかなのか、環境の変化から人それぞれの好みまで適応させるのが質感という造形要素である。

しかしその情報量の多さゆえに、質感を数値化するのは困難だ。たとえ計測を試みたとしても、それを手に取った人の心理や状況によって評価はまったく違ってしまうものだからである。そこで着目したいのがオノマトペである。一見子どもっぽかったり、軽々しいような印象をもたれることのあるオノマトペだが、言葉の響きやリズム、またしばしば語源においても、工芸のエッセンスを直感的につかみとっていることが少なくない。きわめて個人的な感覚が含まれるのも確かだが、だからこそ情報量の多い質感を多角的に捉えることが可能なのである。

今回、工芸館の会場6室に揃えた質感は「ツヤツヤ」「ピカピカ」「スケスケ」「ボコボコ・ゴツゴツ」「ザラザラ・サラサラ」「ダラリ・ジワリ・スベスベ」――前半は光との関係を、また後半では肌合いや模様をつくる過程に焦点をあてた。リズミカルな言葉をつぶやきながら、私たちを魅了してやまない質感を堪能しよう。子どもと大人とそれぞれにセルフガイドも用意。スベスベでツヤツヤ、ピカピカでボコボコなものを探してみたり、皆さん自身でもっとぴったりなオノマトペを考えてみるのもおすすめだ。

【関連イベント】
●鍛金ワークショップ
日時:8月10日(月)、17日(月) 13:30~16:00
先生:大角幸枝さん(金工家)
対象:小学4年生~中学3年生(各回10名、抽選)
※申込制・抽選

●ピカボコ写真教室
日時:7月26日(日)、8月14日(金) 13:30~15:30
先生:斎城 卓さん(写真家)
対象:小学4年生~中学3年生(各回10名、抽選)
※申込制・抽選

※各詳細は公式ホームページを参照

開催期間 2015/07/14(火)~2015/09/27(日)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日 詳細は公式ホームページをご覧ください
入場料 一般210円/大学生70円/高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」をお持ちの方、友の会、賛助会員、キャンパスメンバーズ、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料、無料観覧日(8/2、9/6)
会場
  • 東京国立近代美術館工芸館
  • 東京都千代田区北の丸公園1-1
お問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
会場URL http://www.momat.go.jp/cg/
詳細URL http://www.momat.go.jp/cg/exhibition/kids_adults2015/