生誕110年 片岡球子展

日本画家・片岡球子は鮮烈な色彩、大胆にデフォルメされた形、力強い筆使いの画風で知られている。これらは、球子独自のものとして戦後の日本美術院において他の画家の追随を許さなかった。
球子の制作は対象をじっくりと観察することから始まるが、対象に深く没入するのではなく、むしろ対象を咀嚼するかのように、自分の眼に映るものを自分の感覚に引きつけ、独特の色使いと形のとらえ方によってつかみ取る。歴史上の人物のように眼の前に存在しない対象を描く場合も同様である。現代を生きる人間として描かれる球子の歴史人物画は、他の作家たちが描くものとは全く性格が異なる。
さらに晩年には裸婦という新たな主題に取り組む。眼の前の対象に忠実に、その形や重量感を線と色彩によってとらえようとする態度からは、描くことの意味を常に問い続ける球子の意欲がうかがえる。球子のこうした姿勢は、創立当時の日本美術院の作家達の制作態度にも通じ、またこれまでの日本画の枠組みを超えようとする後進の作家達にも大きな刺激となったことだろう。
本展では代表作によって球子の画業をたどるとともに、遺されたスケッチ、資料類もあわせて展示する。作家がどのように眼の前の世界と向き合い、どのようにその世界をとらえたかを示すことで、作家の芸術の本質に迫るとともに、その今日的意味を探る。
開催期間 |
2015/04/07(火)~2015/05/17(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 10:00~17:00(金曜日は20:00まで/入館は閉館の30分前まで) |
休館日 | 月曜日(5/4は開館) |
入場料 | 一般1,400円/大学生900円/高校生400円 |
参加アーティスト | 片岡球子 |
会場 |
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お問い合わせ | 03-5777-8600(ハローダイヤル) |
会場URL | http://www.momat.go.jp/ |
詳細URL | http://tamako2015.exhn.jp/ |