知られざるプロダクトデザイナー小島基と戦後鳥取の産業工芸

知られざるプロダクトデザイナー小島基と戦後鳥取の産業工芸

小島基は富山県に生まれ、戦後に鳥取県などで活躍したプロダクトデザイナーだ。戦前に京都市立絵画専門学校の図案科に学んだ小島は、1950年から1963年まで鳥取県工業試験場にデザイン専門の技師として在職。まだ「デザイン」という考え方が定着していない時代に、鳥取県内のさまざまな産業工芸(木工家具・轆轤、竹細工、漆工など)の職人や製造業者等に対して精力的にデザイン指導を行った。なかでも、小島がデザインし、鳥取家具工業株式会社が製造して全国に供給された曲木椅子などの家具類はいまだに高く評価されている。

常に時代を先取りし、業界に新しい方向性を提示しながら新製品開発に寄与してきた小島は、鳥取県の産業工芸界の振興に重要な役割を果たしたキーマンであったはずだが、1964年に関西へ移ったことや当時指導を受けた職人達が亡くなりつつあることもあってか、現在ではその名を知る人も少なくなっている。鳥取県の工芸史上では吉田璋也が主導した戦前戦後の新作民藝運動が有名である。しかし、鳥取県の戦後の産業工芸の展開に果たした役割を考えれば小島の存在は見逃せない。

本展では鳥取県工芸史の編纂にも資するべく、小島の仕事の概要を県内の職人たちが制作した試作品等の現物資料や、小島らが遺した記録写真を中心に紹介する。さらに小島が鳥取で活動した時代を中心に、その前後の鳥取および日本の産業工芸の動きにも目を向け、国と地方のデザインの動向を比較、再確認できるように各時代の代表的な作例や、小島が関心を寄せた有名デザイナーの作品なども紹介する。

【関連イベント】
●アートシアター「シャルロット・ペリアン」
(1985年、フランス、56分・VHS)
日時:3月14日(土) 14:00~15:00
会場:鳥取県立博物館 2階講堂
定員:先着250名
※申込不要・視聴無料

●アートセミナー「小島基と戦後鳥取の産業工芸との関わり」
講師:三浦努(当館主幹学芸員・本展担当者)
日時:3月21日(土) 14:00~15:30
会場:鳥取県立博物館 2階会議室
定員:先着40名
※申込不要・聴講無料

開催期間 2015/02/21(土)~2015/03/22(日)
※イベント会期は終了しました
時間 9:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日 会期中無休
入場料 一般600円/大学生以下・学校教育活動での引率者・70歳以上の方・障がいのある方・要介護者及びその介護者は無料
参加アーティスト 小島 基
会場
  • 鳥取県立博物館 2階
  • 第1特別展示室
  • 鳥取県鳥取市東町二丁目124番地
会場電話番号 0857-26-8042
会場URL http://site5.tori-info.co.jp/~museum/
詳細URL http://site5.tori-info.co.jp/p/museum/exhibition/planning/31/