第12回 中之島映像劇場 飯村隆彦の映像アート

第12回 中之島映像劇場 飯村隆彦の映像アート

第12回 中之島映像劇場では、日本の実験映像・メディアアートのパイオニアであり、今なお精力的に活動をつづけている飯村隆彦の映像作品を特集上映する。

飯村は、1960年代初頭、戦前のヨーロッパ前衛映画やアメリカ実験映画が日本で紹介される前から映画制作を開始し、当時の前衛芸術家と交流を持ちながら、独自な視点と立場で作品を作る。1964年には、ドナルド・リチー、大林宣彦、高林陽一らと日本初の実験映画の制作・上映組織「フィルム・アンデパンダン」を組織し、自分達の作品を上映するだけでなく、「2分間フィルムフェスティヴァル」など、ジャンルを横断した映画祭を催す。

1966年に草月アートセンターらによって、日本において海外の前衛映画・実験映画の紹介が本格化するのと入れ替わるように渡米し、活動の拠点をニューヨークに置くようになる。インスタレーションやパフォーマンスという言葉がコンテンポラリーアートの用語となる前からこれらの映像関連作品を制作し、ヴィデオアートも最初期から作品を発表している飯村は、日本のメディアアートを牽引してきたアーティストと言えるだろう。また、現代アートや映像の批評および紹介者としても重要な仕事をしており、特に60年代から70年代にかけてのニューヨークを中心としたアメリカ芸術動向のルポは、アーティストでないと語りえない慧眼と洞察力にあふれるものである。

今回は、飯村の多様な映像作品を時代と傾向によって4つのプログラムに分けて紹介する。現在、メディアアートという言葉は、主にコンピュータを応用したテクノロジーや、アニメ、ゲームなどのエンターテイメントとの関わりで用いられているが、一度見直してもよい時期に差しかかっているかもしれない。そのとき、飯村の仕事は、重要な指標として、私たちに考える手掛かりを与えてくれるだろう。

【プログラム】
※各プログラムとも、上映後に作家による作品解説あり

2016年9月24日(土)
13:00~ Aプログラム「初期映画作品」
15:00~ Bプログラム「シネダンスと様々な実験」

2016年9月25日(日)
13:00~ Cプログラム「ミニマル/コンセプチュアル」
15:00~ Dプログラム「映画の構造とシステム」

開催期間 2016/09/24(土)~2016/09/25(日)
※イベント会期は終了しました
時間 詳細は公式ホームページをご覧ください
入場料 無料(全席自由、先着130名、各プログラム入れ替え制)
参加アーティスト 飯村隆彦
会場
  • 国立国際美術館
  • 地下1階講堂
  • 大阪府大阪市北区中之島4-2-55
会場電話番号 06-6447-4680
会場URL http://www.nmao.go.jp/