2016年9月1日から11日までスパイラルガーデンで開催されている「Paper Garden ‒ atelier oï and SPREAD」。今年4月のミラノデザインウィークで注目を集めた展示の一つ「CASA GIFU」のエッセンスを取り出したインスタレーションです。今年のミラノデザインウィークには、自治体として岐阜県の他に富山県、佐賀県が出展していました。それぞれベクトルが異なるので比較はできないのですが、スイスのデザインスタジオatelier oï(アトリエ・オイ)に思い切ってディレクションを任せてしまった岐阜県のCASA GIFUは、明確にとんがった企画だったと思います。
「Paper Garden ‒ atelier oï and SPREAD」のレセプション会場で岐阜県の古田知事とお話ししたのですが、「ミラノ万博に出ても47分の1だ。CASA GIFUであれば岐阜として注目が得られる」という言葉、戦略がとても印象的でした。
今回の展示は、タイトルにあるようにatelier oïと日本のクリエイティブユニットSPREADによるもの。それぞれによる日本の和紙を用いたデザインで空間を彩っています。atelier oïはユネスコ無形文化遺産の本美濃紙を使った「Honminoshi Garden」、SPREADは株式会社ニトムズと共同開発した「HARU stuck-on design;」です。
会場のスパイラルガーデンは、長四角と円という性格の異なる二つの空間を持ちます。ここでの展示やイベントは数え切れないほど見ていますが、展示を企画しデザインする者が試される場所だな、といつも思います。槇文彦さん設計による空間の特徴を捉えてどのように展示空間として昇華させていくかが、展示コンテンツと共に見所なのではないでしょうか。
どのような空間に仕上がっているかは、ぜひご体験ください。
PAPER GARDEN ‒ atelier oï and SPREAD
伝統工芸を活かした欧州市場への挑戦、ミラノデザインウィークにおける岐阜・佐賀・富山、3県の取り組み