編集部の「そういえば、」―浮かび上がる幾何学模様

編集部の「そういえば、」―浮かび上がる幾何学模様

そういえば、少し前ですが、東京・市ヶ谷の東京日仏学院で開催された、ビジネスフランス主催の「アール・ド・ヴィーヴル展」にうかがいました。そこで出会った照明器具「Lafablight(ラファブライト)」を紹介します。

2021年にフランスで誕生したLafablightは、ディレクターのロラン・ルソーとデザイナーのシリル・マイエの2人によって生み出されたブランドです。シリルは、1950〜1960年代に北欧でつくられていた、木枠に紐を巻きつけたランプシェードに魅了されていましたが、現代の空間には少し素朴で新鮮味に欠けると感じていました。

ヴィンテージのエッセンスを残しつつ、新しいデザインの方向性を見出すことができないだろうかと、自らの手でさまざまな試作品を繰り返し制作していたそうです。そんなシリルの様子を見ていた友人のロランが、「実製品として展開できるのでは?」と問いかけたことからブランドがはじまりました。

Lafablightは、細かくスリットが入った木製の板に、細いロープが張り巡らされた照明です。フレームの形とロープの交差によって浮かび上がる幾何学模様は、配列パターンを変えることでさまざまな表情を見せてくれます。

また、素材や製造工程にもこだわっており、地産地消の理念のもと、すべてフランス産のブナ、シナノキ、オークなどの木材を使用し、細いロープは綿100%。微妙な調整をしながら組み上げていく必要があるため、フレームの組み立てや糸の編み上げは、職人により一つひとつ手作業でおこなわれています。

私のおすすめポイントは、点灯時にこぼれ落ちる光。部屋に広がる光のグラデーションは、空間を魅力的に演出してくれます。温かみのある素材とシンプルな形で和洋問わずマッチするこちらの照明を、ぜひみなさんの部屋にもお迎えしてみてはいかがでしょうか?

LAFABLIGHT
https://shop.homesteadltd.com/collections/lafablight

(岩渕真理子)