編集部の「そういえば、」―6月の見本市で見つけた気になるプロダクト

編集部の「そういえば、」―6月の見本市で見つけた気になるプロダクト

そういえば、今月は東京ビッグサイトで開催された2つの見本市、「第33回インテリア ライフスタイル」と「オルガテック東京2025」に行ってきました。

「インテリア ライフスタイル」は、デザイン性と機能性を兼ね備えたインテリアやライフスタイル製品が一堂に会する、日本最大級の国際見本市です。1991年にスタートし、今回で33回目を迎えました。

第33回インテリア ライフスタイル 会場の様子

一方の「オルガテック東京」は、ドイツ・ケルンで70年の歴史を持つオフィスおよびファシリティの国際専門展示会「オルガテック」のサテライトイベントとして、2022年にスタートしました。

オルガテック東京2025 会場の様子

オルガテック東京2025 会場の様子

今回は、2つの見本市のなかから編集部が注目したプロダクトやブランドを2つご紹介します。

■日東社のマッチ

インテリア ライフスタイルの出展者の中で、もっともシンプルな展示が印象的だったのが、株式会社日東社です。白いブースに白い什器、そこに木箱を3つ並べ、その中にさまざまなデザインのマッチ箱が美しく陳列されていました(まさかの写真撮り忘れました…すみません)。

ブースで名刺がわりに配られたマッチ箱

同社は、1900年創業、1923年設立の老舗メーカーで、日本最大手のマッチ製造企業として知られています。拠点は兵庫県姫路市で、100年以上にわたり事業を展開。

ブースで名刺がわりに配られていたのは、ブルーラベルと呼ばれる商品でした。原点商品の「日東社ブランドマッチ」の意匠を基に、よりシンプルな単色のラベルと軸木もブルーに染めた「ブルーラベル」が新たに開発されたそうです。

フタをスライドさせると小さな紹介のしおりが入っていました

こちらは今秋に販売が予定されているそうなので、また続報をお伝えしたいです。

■イトーキの新ブランド「NII」

オルガテック東京で初披露され、注目を集めていたのが、イトーキが発表した新しいオフィスファニチャーブランド「NII(ニー)」です。

イトーキ ブース外観

ブランドコンセプトは「Ingenious design(創意創発するデザイン)」。人と人とのつながりを促し、思考や挑戦を自然に引き出す、“マグネット”のような場の創出を目指しています。クリエイティブディレクターは田幸宏崇さんが務めています。

オフィスを単なる仕事場ではなく、働く人が主役となる“舞台”として再定義し、創造と協働を刺激する空間づくりを提案しています。ファーストコレクションは、国内外で活躍するデザイナーが参画しました。

目に鮮やかな青色がキーカラー。手前にあるのは、骨格を思わせるフレームがガラスの天板を点で支えている、有機的な構造が特徴のテーブル「CONNEXA(コネクサ)」

参画したのは、イタリア人建築家のミケーレ・デ・ルッキ率いる建築スタジオAMDL CIRCLE、ニューヨークを拠点に活動するデザイナーのトッド・ブレイチャー、ロドルフォ・アグレラ、相崎準/クレムの4組です。オフィス空間のアイコンとなるような、ユニークで親しみのある存在感が魅力の4つのコレクションは、働く人の居場所になったり、自然な会話を引き出したりと、まるで“オフィスのマスコット”のような役割を果たしてくれそうです。

(左)高さが異なるユニットによって、多様な個が交わる空間をつくるモデュール家具「PARLAMENTO(パーラメント)」(右)鱗状のパネルが特徴的な、ディバイダーとソファの2つのスタイルを備えた家具「PIGNA(ピグナ)」

いよいよ7月。2025年も後半に突入ですね。これから本格的な暑さがやってきそうですが、目にも涼しいプロダクトを探したり、夏にぴったりの展示会に訪れたりしながら、うまく乗り切っていきたいところです…!

(石田織座)