編集部の「そういえば、」―台湾カルチャーの発信地を歩く

編集部の「そういえば、」―台湾カルチャーの発信地を歩く

そういえば、昨年12月、4泊5日の台湾出張に行ってきました。12月7日から12月15日まで開催された「台湾デザインウィーク」の取材のためです。

台湾は年間を通して温暖と聞いていましたが、12月はさすがに肌寒く、基本的に暖房をつけない(らしい!)という台湾の習慣は少しだけ体に堪えました。が、そんなことを忘れるくらい刺激が盛りだくさんの取材旅だったので、ぜひ近々公開予定のレポート記事も楽しみにしていただければと思います!

さて、ここでは出張初日と最終日に立ち寄った台湾のカルチャースポット「華山1914文化創意產業園區(Huashan 1914 Creative Park)」を写真とともにご紹介したいと思います。

華山1914文化創意產業園區の外観

ベンチに座ったり、散歩したり、思い思いに過ごせる園内。ポップアップイベントやマーケットが開催されている日もある

「華山1914文化創意產業園區」は、飲食店や雑貨店、書店、ギャラリー、映画館などが集まる台湾カルチャーの発信地。日本統治時代に酒工場や樟脳(しょうのう)精製工場として建てられた建造物を活かした空間で、現代のカルチャーに触れながらも節々に当時の痕跡を感じることができます。

レンガ造りの建物と植栽

左手のレンガ造りの建物はホールとなっている。この日は、廃棄物を原材料としたプロダクトや劇場の持続可能な運営の事例といった、デザイン・アートのサステナブルな取り組みを紹介する展示がおこなわれていた

敷地内にはいくつもの工場跡が点在し、展示会や授賞式、講演会などさまざまな用途に使われています。台北松山空港から車で20分弱の場所にありますが、台北の街中にいることを忘れてしまうような独特の雰囲気です。

レンガ造りの建物の背後に近代的なビルが建つ

建物の内部はひとつの広い空間になっていて、イベントを開催できる。時代の移り変わりを感じる景観

ショップが並ぶエリアには台湾の作家によるアクセサリーやアパレル、工芸品を販売するお店のほか、台湾茶などの特産品を販売するお店も入っていて、観光客でにぎわっていました。日本のアニメやキャラクターコンテンツの展示などもよく開催されているようです。そういえば、台湾でもあの「小さくてかわいい」キャラクターは人気のようで何度も見かけました。

渡り廊下のある古い建物の外観

渋い外観だが、おしゃれな雑貨類を販売するショップが入る

外廊下の両側に店舗が並ぶ

ところどころタイルが剥がれたままの壁

壁面に、人の顔がのぞいているデザインのレリーフ

視線を感じると思ったら……?

ショップの内観

ショップの様子。食品などの特産品やデザイン製品を販売

園内には緑が茂り、腰掛けられる空間がいくつもあり地元の方々の憩いの場にもなっています。レストランやカフェも充実しているので、さまざまな過ごし方のできるおすすめのスポットです。

大きな木の下で休憩する人々の集団

南国の樹木の下に集う、ビビッドな色合いのみなさん

日本統治時代の建造物のある公園を散歩する人

台北市内にはほかにも日本統治時代の建造物を保存・再生した施設やお店が数多くあります。台湾を訪れる際にはぜひ、台湾の歴史に思いを巡らせながら、新旧が融合する魅力的な建築空間を楽しんでみてはいかがでしょうか。

(萩原あとり)