編集部の「そういえば、」―日常の“家族愛”を描いた広告

そういえば、2024年もあっという間に終わりを迎えますね。今年も1年間、JDNをご覧いただきありがとうございました。
さて、今年もJDN編集部ではさまざまなデザイナーや作品に出会うことができました。本コラムでは、今年たくさんの作品に出会った中で、自身の私生活にも重なり、ぐっと来た広告をひとつご紹介します。
こちらの広告は、花王のヘアケアブランド「メリット」の何気ない日常に詰まった“家族愛”を描くシリーズ「家族と愛とメリット」。当時話題になったので、ご存じの方も多いかと思います。
クリエイティブディレクション、企画、コピーは株式会社電通 zeroの栗田雅俊さん、イラストはイラストレーターのニシワキタダシさんが担当しています。

同シリーズのポスター。JR東日本の主要路線車内などで掲出された(公式サイトより)
CMではナレーションはないですが、車内ポスターでは、ストーリーと親の思いが文章で書かれています。特に「最終回は気づかないうちに終わっていく。」のキャッチコピーは、子育てを経験されている方は「そうなの!!」と共感する言葉ではないかと思います。
子どもの成長は嬉しい反面、寂しさもあり、一緒にやっていたことが突然最終回を迎えると、それまでの時間がどんなに幸せな時だったのか教えてくれます。
子育てに限らず、みなさんのまわりでも今年1年間で最終回を迎えたことはありませんか?会社の後輩がいつの間にかフォローなしで仕事を進められるようになっていたり、いつも料理本を見ながら料理していたのに冷蔵庫の残り物でパパっとつくれるようになっていたり……。
最終回を迎えたということは、次の物語のはじまりだと思っています。来年の巳年は「復活と再生」を意味し、新しいことがはじまる年になると言われています。最終回を迎えた事柄を振り返りながら、2025年に新しくはじまる物語を考えながら新年を迎えてみてはいかがでしょうか?
メリット公式サイト
https://www.kao.co.jp/merit/
(岩渕真理子)