みんなで「わたしの25」- 凸版印刷株式会社 印刷博物館
デザイン情報サイト「JDN」は、インターネット黎明期の1997年にスタートして以来、四半世紀にわたりデザインに関する情報を発信してきました。読者のみなさま、これまで記事にご登場いただいたクリエイターのみなさまのおかげで2022年10月に創刊25周年を迎えます。
そこで、これまでにご登場いただいてきたクリエイターや企業のみなさまから、ご自身や「デザイン」の25年を振り返るコラムなど、メッセージをお寄せいただく特集「みんなで『わたしの“25”』」を公開します。
今回メッセージをご紹介するのは、“印刷”が人々の生活に果たした役割を、おもに展示活動を通じて広く伝えてきた印刷博物館。現存する世界最古の印刷物と言われる「百万塔陀羅尼」をはじめ、古今東西の印刷物や活字、道具、機械約7万点のコレクションの中から約300点が展示されています。JDNでは折に触れて企画展をご紹介させていただいています。
JDN創刊25周年おめでとうございます。「25」にまつわる当館のテーマは、月並みですが25年前の1997年を振り返ってみたいと思います。
この年は、印刷博物館設立のための設立準備室が、凸版印刷広報部内に設置された年です。2000年に凸版印刷創立100周年を迎え、その記念事業として印刷博物館の設立が計画されました。3年後には何が何でも開館しなくてはならないというプレッシャーに翻弄されながら、がむしゃらに準備を進めていたことを思い出します。
印刷をテーマとした本格的な博物館の設立を目指そうとしましたが、これまで印刷に関する文化史、技術史双方に関する検証や知識は無に等しく、どのように展示をするかが最大の難関でした。そこで「進化する博物館」と銘打って、開館時には不完全でも活動を通じて調査研究を進めて完成度を上げていこうと、かなり身勝手なコンセプトを全面に出したことで2000年には無事開館することができました。
しかし開館後は何も進化することなく20年が過ぎてしまったので、2年前には全面的なリニューアルを済ませ、いわゆる「進化」を実現することができました。準備室からの25年間は必要であり、また、とても貴重な時間でした。次の進化に向けて活動を続けている印刷博物館です。
印刷博物館の最新情報
■企画展「地図と印刷」
日本において印刷された地図が登場するのは近世。民間での印刷・出版の拡大によりさまざまな地図や地誌がつくられました。やがて蘭学が発展すると、西洋の地図知識を吸収して世界が広がります。近世後期には伊能忠敬により近代的な地図づくりが幕を開け、大きな影響を与えました。本展は日本の近世を中心にスポットをあて、地図や地誌づくりにおける印刷と人々とのかかわりを探ります。
会期:2022年9月17日(土)~12月11日(日)
時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
会場:印刷博物館 地階展示室
https://www.printing-museum.org/collection/exhibition/t20220917.php
■企画展「現代日本のパッケージ2022」
第61回ジャパンパッケージングコンペティション、2022日本パッケージングコンテスト(第44回)の2つのコンクールの受賞作品、ならびに『JPDAパッケージデザイン インデックス2022』に掲載された作品からキャラクターをテーマに魅力的なパッケージを紹介します。
会期:2022年10月1日(土)~12月4日(日)
時間:10:00~18:00
会場:印刷博物館 1階P&Pギャラリー
https://www.printing-museum.org/collection/exhibition/g20221001.php
■企画展「世界のブックデザイン2021-22」
「世界で最も美しい本2022コンクール」の受賞図書とともに、日本の「造本装幀コンクール」をはじめ、欧州、アジア地域で開催されたコンクールで入賞図書など、世界最高峰のブックデザインと造本技術を紹介します。
会期:2022年12月10日(土)~2023年4月9日(日)
時間:10:00~18:00
会場:印刷博物館 1階P&Pギャラリー
https://www.printing-museum.org/collection/exhibition/g20221210.php