アノニマ・スタジオのおすすめ書籍

街と山のあいだ

人生に、山があってよかった。

街と山のあいだ

登山の専門出版社を経て、編集者・文筆家として活躍する著者・若菜晃子さんによる初の随筆集。

山にまつわる記憶や体得してきた思想を、情緒豊かにまっすぐに綴ります。四季にわたる山行記やよく登る山、道具の話など、細やかなエピソードに彩られた59篇。山が好きな人も山に憧れる人も、自然を近しく感じられる一冊です。巻末に本文に出てくる山名一覧(国内)付き。

櫻井久(デザイナー)おすすめコメント

担当編集者の村上さんからはじめにいただいた下記の内容を、きちんと形にしたいと考えました。 また、テキストを読んで自分も同じように感じました。


“若菜さんの書かれる文章がとても好きで、読む人が自分の内面に反芻して、記憶を共有できるような文章だと感じています。 ビジュアルの要素を入れることはほぼ考えておらず、本を開いて文章に浸り、「読書」のよさをしみじみと感じられるような本にしたいと思っています。”


著者、デザイナー、編集者(版元)の三者が考える仕上りの方向性にブレがなかったことと、 仕様案、本文組、外回り、オビ色など、複数案から選んでいただいたものの積み重ねでこのデザインになりました。また、最初に文字組みと本文書体を提案し、選んでいただいた本文組によってビジュアルの方向性が見えました。 (使用書体:A1明朝体)


【装丁・仕様について】

・カバー画は、個人的な懐かしい記憶と結びつけて選びました。文字と線画のシンプルな内容のため、空押し加工を採用。そうするとカバーではなく表紙本体に加工したほうがいいだろう、ということでカバー無しにしました。カバー無しがOKなケースは稀です。

・カバー無しのため、汚れや傷みの対策を考えました。ただのPP貼りは質感がイメージに合わないので、用紙は手触りがありながら丈夫で質感の良いものの中から選択。紙地の白がやや冷たい印象のため、ほっこりでも渋くもない爽やかな地色にした結果、外回りがグリーンの同系色にまとまりました。

・書名、イラスト、背景色は多色使用せずに、落ち着いていながらも何か引っかるものが欲しかったので、箔押しと空押しのテストをし、細い書体と線画のエッジがシャープできれいな印刷+空押し加工を採用。

・サイズは掌の中に納まる大きさで、持った時にあまり重くないような本文用紙にしています。紙質に関してはリクエストもいただきました。ちなみに、経年変化(紙やけ)のある中質紙にOKが出るケースも稀です。


プロフィール:櫻井久

アートディレクター、デザイナー。1997年櫻井事務所設立。『Esquire日本版』1997-2009年、機内誌『SKYWARD』など。雑誌のデザインだけでなく、書籍、写真集、美術書などにも携わる。書籍では夏葉社や松浦弥太郎氏、木内昇氏らの著書の装丁を担当。現在『ELLE DECOR』のアートディレクター。


発行 アノニマ・スタジオ
著者 若菜晃子
デザイン 櫻井久
編集 村上妃佐子(アノニマ・スタジオ)
仕様 四六版変型、284ページ、上製、紙クロス装、スピン付き、表紙空押し
価格 1,600円(税抜)
ISBN 978-4-87758-767-3