10万人の地方都市でありながら、全国平均2倍のGDPを誇る経済力、ドイツ1位と評される創造力を持つエアランゲン。外国にルーツを持つ市民が多く、700以上のNPOがパブリックサービスを担い、行政・企業・市民の連携が日常化する社会。多様で寛容で自立したプレイヤーによる、小さく賢く進化し続ける都市のつくり方。
山口祐加(学芸出版社)おすすめコメント
本書でフォーカスされているドイツ・エアランゲン市は、日本では知名度は低いものの、過去に「ドイツで最もクリエイティブな都市」に選ばれるほどスゴイ都市だ。
今年、弊社からも「ポートランド 世界で一番住みたい街をつくる」が出版された、アメリカ・ポートランドは、ここ数年注目が集まり、移住先や観光地としてももてはやされているが、エアランゲンにはその派手さはない。
しかし、400年も前から都市の戦略を練り、ものづくり、環境、医療など時代に合った特徴を最大限に伸ばし変化し続けている。また、500年前から続くビール文化、120年前から地元に愛されるパン屋など、企業と市民が紡いできた街の歴史は長い。何か特出した特徴に頼るのではなく、経済、文化、環境コミュニティ、それぞれがバランス良く都市の成長を支えるエアランゲンから日本が学ぶことは多いのではないか。
現地在住の著者の綿密な取材と、明瞭な分析で描かれる都市の全貌は、日本の地方都市の未来をつくる関係者にとって必ずに役に立つだろう。
発行 | 学芸出版社 |
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著者 | 高松平藏 |
デザイン | 赤井佑輔(paragram) |
仕様 | 四六判・188頁 |
価格 | 1900円(税抜) |
ISBN | 978-4-7615-1364-1 |