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多摩美術大学


意識と感覚に依る

田尻佳佑 / 情報デザイン学科 情報芸術コース

これらの素材は無数にある自己感覚の中から無意識的に選ばれたものである。
木枠の大きさもロープの数も、そもそものそられの素材が選択されたことさえも、そこに特別な意味は存在しない。
しかしそこには意識を持って現実として存在させている。
感覚が意識を引き起こし、また感覚が意識を引き起こす。
意識と感覚に依る、作品。
「気泡緩衝材への背徳感」
気泡緩衝材は木枠によってフレーミングされ、ロープが貫通しており、
強制的に其処に晒され、存在させられている。
本来、気泡緩衝材は必要な大きさに切り取られ、物を包み、衝撃を吸収するこ
とでのみ存在する。
物質そのものとしての価値はなく、機能としての価値でしか存在しえない。
しかし今、一つの要素さえも果たせていない状態のまま、ここに現れている。
その時気泡緩衝材は何を思うのだろうか。
更にはこれらの事すら作品の裏で語られている、という事実をこの気泡緩衝材は知ることはないだろう。

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