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多摩美術大学


ha-mo-n

仙石亜紗子 / 環境デザイン学科

目の見えない人が、聞いたり、触ったりすることでデザインやアートを楽しめる。それこそが、立体であることの醍醐味なのだと考えてきた。
JR高田馬場の駅前の一区画には、日本点字図書館をはじめとする5つの盲人用施設が点在しており、点字ブロックと音声信号が張り巡らされている。
しかし、点字図書館には訪れた人々がゆっくりと時間を過ごすスペースは確保されておらず、点字図書の制作と保存に殆どのスペースが使用されいる。
そこで、この盲人のアクセスしやすいインフラを利用し、区画の中心の空き地に点字図書を読むスペース、また視覚以外の要素で楽しむことのできる複合施設を計画した。
ha-mo-nは高さ8mmの円弧の起伏。白杖や足の裏で起伏を感じ取ることで、どの方向に壁や家具があるのか、そこまでの距離が認識でき、また障害物の周りを物に触れることなく廻ることができる。
ha-mo-nの中心と中心を結ぶ線と、ha-mo-nの交点には柱が立っており、構造であると同時に、空間と空間を結ぶオリエンテーションの役割をしている。
またスラブがドーム状に起伏することで、ドーム下の音が反響し、ガヤガヤしたカフェ、シーンとした美術館など、音によって空間の差異を識別できる。

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