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2008 ミラノサローネレポート
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【 桐山登士樹+西中川 京 】 ミラノサローネレポート
左から「Paper chair/石上純也」、「Misses Flower Power/ Philippe Starck with Eugeni Quitllet」、TOKTO WONDER
桐山登士樹
Toshiki Kiriyama
デザインディレクター 株式会社TRUNK主宰、富山県総合デザインセンターデザインディレクター、 YCSデザインライブラリーディレクター等兼務
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「桐山登士樹の
注目デザイン&デザイナー」
西中川 京
Miyako Nishinakagawa
コーディネーター。 東京学芸大学大学院造形芸術学修了。ユトレヒトセントラルミュージアムのインターンを経て、02年株式会社TRUNK入社。 展覧会 / セミナーのキュレーションとコーディネーションを担当。
ミラノサローネ2008・デザイントレンド分析
【 大入りの国際家具見本市、活気のないフォリ・サローネ 】
今年も4月16日から21日まで開催されたミラノサローネ。イベントの中心となるミラノ国際家具見本市へは348,000人もの来場者があり、昨年より29%増の数字をたたきだした。コアとなる来場者は、EU、ロシア、北アメリカ、日本、中国からのメーカーやバイヤー、デザイナーやマスコミなどの業界関係者。そこに今年は、アルゼンチンなどの南アメリカや、インドネシアやベトナムなどの東南アジアの国々、南アフリカ共和国等、目下BRICsを追って急速に経済発展を遂げつつある国々からの来場者が加わり、ミラノ国際家具見本市は大盛況のうちに幕を閉じた。
一方のフォリ・サローネが行われたミラノ市街の様子は、堅調経済のEU諸国を横目に長引く不況から脱出できないイタリア経済の影響もあり、全体的にひっそりとした印象。経済問題に端を発した総選後直後の開催であったためか、イタリアメーカーのショールームを中心に控えめなプレゼンテーションが目立った。 特にコンテンポラリーデザインファニチャーの分野でその傾向は強く、不況に加えて新富裕層を抱えるロシアや中国といった国々のバイヤーの目的が、クラシックファニチャーに集中していることを反映した結果であろう。また、連日の悪天候と、イベントが急遽とりやめになるなどのハプニングもあり、例年と比較して活気に欠けたミラノ市内であった。
業界の不振はダイレクトに新製品に現れる。今回のミラノサローネでは思わず目を奪われてしまうような作品が少なかった。(ただし、良く見ると面白い!)メーカーの開発費縮小が原因か、もしくは情報過多で私たちが新しいクリエイションを見つけるまえに疲弊してしまうのが原因か。いずれにせよ昨今のデザイン界では、90年代のドローグデザインを最後に大きなムーブメントが起きていない。もちろんステートメントを必要としたムーブメントという在り方そのものが、前世紀的な考え方だといえるのだが。それでも、その平明さと明確さにおいて、メンフィスやドローグデザインは良い起爆剤であった。社会変化に対応するだけで精一杯だったミレニアム前後を抜け21世紀の方向性をある程度見定めた今、もう一度デザインとデザイナーのダイナミズムを期待するのは私だけではないだろう。
しかしそんな状況であるからこそ優れたデザイナーやプレゼンテーションがひときわ際立つ。今回、特に光彩を放っていたデザイナーは我らが吉岡徳仁氏と鬼才ファビオ・ノヴェンブレ氏の二人。そしてプレゼンテーションに力が入っていたのが日本のデザイナーや日本企業の展覧会である。
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