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イタリア、再び
去年、私は「来年からは見本市会場がロー・ペローに移る」という情報を実感のないまま頭の隅に置いて歩き慣れた会場や市内を駆け巡っていたのですが、その情報が確実なものとなり、そして年が明けた頃、2006年は「いくつかのイベントが重なり、イタリアが1990年(イタリア・ノバンタ、ワールドカップ・サッカー・イタリア大会。日本のバブル経済崩壊直前の時期でもある)以来の注目を集める」と、徐々に考えるようになりました。
まず2月のトリノ冬季オリンピック。開会式ではフェラーリがうなりをあげ、全身赤い「炎のスケーター」が新しい時代を目指すかのように走り抜けます。閉会式に登場したフィアット500とヴェスパはトリノ、ひいてはイタリアの長きにわたるデザイン力をアピールします。さらに近未来的なデザインが出てくるのかな、と期待しつつテレビの画面を見入るのですが、それ以上のデザインらしきアイコンは見ることができませんでした。それよりも、80年代の音楽や大量の花嫁衣装に戸惑った、というのが感想です。しかも閉会式で歌う大トリは典型的なラテン系のリッキー・マーティン。冬のイメージからは程遠く、どう見てもムードはロマンティックです。「ひょっとして、今年のトレンドなのかな」と、さすがに意識せずにはいられませんでした。
オリンピックに続き、4月のサローネ、それと前後して行われるイタリア総選挙。中道左派連合の勝利により、首相交代が確実となった政治の面でもイタリアが注目されます。次に控えているワールド・カップ・ドイツでも、強豪国イタリアのファンタジスタたちにカメラが向くでしょう。2006年はイタリアにたくさんのスポットが当たる、強気の年なのです。(文中敬称略)
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