- デザインコンセプト
- 担当:可知友貴子/丹青社
「スポーツのおともに羊羹を」
室町時代の後期に京都で創業した老舗「とらや」の新しいコンセプトのショップ「TORAYA AOYAMA(トラヤ アオヤマ)」。2020年の夏に開催されるオリンピック・パラリンピックのメイン会場に隣接する東京・青山に、2021年までの期間限定店舗としてオープンした。
スポーツシーンの多い周辺環境であることから、「スポーツのおともに羊羹を」を合言葉に、スポーツウェアのままでも気軽に立ち寄ってもらえるような店舗づくりを行なった。インテリアデザインとして設定したコンセプトは、「とらやのSTUDIO」。体を動かした後、疲れた体のエナジーチャージや癒やしの提供シーンをイメージし、スポーティーで清潔感があり、リラックスできる空間を目指した。そのシンプルでカジュアルな空間は、伝統のある老舗らしさと時代をあらわすアイコンでもある。
店頭の“暖簾”と店内のロゴマーク“鐶虎”(かんとら)を際立たせる「木・モルタル・無彩色」というミニマルなマテリアルは、羊羹の原材料が「砂糖・小豆・寒天」を基本とする厳選された素材に限られていることになぞらえたものだ。
店内は、ポケットサイズの小形羊羹をはじめ、季節の商品を販売する物販エリアと、「レモン氷」や「梅氷」、「豆と根菜のスープ」など、この店だけのオリジナルメニューをセルフスタイルで提供する喫茶エリアで構成。また、ヨガ教室などさまざまなイベントも企画されている。
「TORAYA AOYAMA」は、スポーツを通して「とらやの羊羹をもっと身近に」感じ、幅広い世代が楽しめる、新しいスタイルのショップとなった。