- デザインコンセプト
- 担当:HIBINOSEKKEI + Youji no Shiro
リアス式海岸が続く地域にある認定こども園。南側には穏やかな海が広がり、背面には峰々が連なっており、自然の力を感じる。この大地を感じながら海に開く園舎をコンセプトとした。
敷地内で12mの高低差があり、この段差を活かしながら子どもたちがお互いに目線や気配を感じ取れるように工夫している。特に、送迎や保育のプログラムに応じて建物配置や動線計画をまとめている。子どもたちの多様な動きを促すため、園舎で体を使ったさまざまな動作が生まれるような場づくりを行っている。たとえば、小さな段差を数多く設けながらアナグラや黒板壁・絵本棚で興味を引いたり、自然と気分が変わるように床の建材を変えている。子どもが通れる程度の細長い階段の途中には、ロープやのぼり棒で上がるロフトがある。
また、細長い階段を抜けた先の屋上には、海に向かって開いたデッキテラスがあり、まるで海に浮かんでいるかのよう。デッキテラスには直接2階のテラスにつながる外部のロープ遊具があり、全体として回遊性を持たせている。このような遊びを通して体力向上や注意喚起力、挑戦する心を育てている。アート活動も感性を育てる重要な要素と考えている。子どもが興味を持って集中できるようにガラス張りの専用室を設け、外からも分かりやすく、見やすいようにしている。
施設の正面となる吹抜のダイニングは、サッシを開放すると外部と一体的になったダイニングテラスがあり、海に開いた園舎の雰囲気をつくり出している。開放的で気持ちの良いランチを楽しむだけでなく、キッズカウンターでは配膳・下膳を含めた食の学びの場を提供。地域や保護者にも利用しやすい場とすることで強い結びつきを生んでいる。
所在地 | 長崎県雲仙市 |
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用途 | 認定こども園 |
敷地面積 | 2704.36m2 |
延床面積 | 1458.38m2 |
構造規模 | 鉄骨造・地上2階建て |
設計監理者 | HIBINOSEKKEI + Youji no Shiro |
撮影 | Studio Bauhaus Ryuji Inoue |